「先進性」で市場奪還を!!
次期エルグランドは、日産ルノー三菱アライアンスで使用されているCMF(コモンモジュールファミリー)のC/Dプラットフォームを採用することになるはず。このプラットフォームの最新版はアウトランダーPHEVにも使われていて評価が高く、走りの性能への期待は高まるところだ。
パワーユニットはe-POWERが主力となるだろう。日産が世界で初めて量産化に成功した可変圧縮(VC)ガソリンエンジン、1.5L 直3ターボを発電用として搭載し、走行用モーターの出力は180〜190PS程度となる様子。新型エクストレイルにも搭載されているVCエンジン+モーターのe-POWERは、特に静粛性の面で高い評価を得ており、高級車として仕上げるにはもってこいのパワートレインだろう。
また、プロパイロット2.0搭載は当然のこと、駐車支援システムやリモート操作など、あらゆる先進技術を搭載した、ハイテクミニバンである必要がある。またプラグインハイブリッド化や、バッテリーEV化など、アルファードに「勝つ」要素も織り込みたいところだ。
あとはデザインとパッケージングだが、日産の最新デザインであるアリアやノートオーラのような近未来感のあるデザインであるならば、「先進性」から感じる凄みのようなものが高級車の新たなステータスに加わり、アルファードとの差別化は図れ、エルグランドの人気は再燃することも十分に考えられる。「威圧感」で市場を奪ったアルファードから、「先進性」で奪還するのだ。
廉価グレードの設定も必須!!
しかし、これらの装備を全込みしたら、800万円近い高額ミニバンになりかねない。確固たるブランドを築いたアルファードに対抗するには、先進性と上質感を極めた「最上級グレード」に加えて、裾を広げるための「廉価グレード」を用意する、という判断が必要だと思う。
次期エルグランドが狙うは、「手ごろに買える価格だが、先進性をもちつつ、威風堂々とした威圧感を持ったラージミニバン」だ。アルファードには2.5Lガソリン車(人気グレードは、エアロパーツが付いたS_Cパッケージ、税込468万円)がある。アルファードに対抗するため、次期型エルグランドが生き残るためには、廉価グレードの設定は譲れないポイントだ。具体的には、「税込465万円のハイウェイスター」が目標でどうだろうか。
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ユーザーのニーズとライフスタイルは変化し、高級車に対する価値観も近年多様化している。クラウンがその良い例で、クロスオーバーやSUVタイプをリリースすることで、そのニーズに応えている。高級ミニバンという市場も今後変化を遂げていくと思うが、次期エルグランドが新しい価値観を創造してくれるよう願っている。
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