トヨタは薄目にこだわってるわけじゃない
では、ごく最近のトヨタのデザイントレンドはというと、今年一挙にお披露目されたEVモデルたちや、新型クラウンに代表される「薄目顔」だろうか。LEDヘッドライトの小径を生かし、ヘッドライトを極限まで薄い形状にすることで、キーンルックを復活させていると言えなくもない。
この薄目を、新型クラウンに採用したのは象徴的だ。クラウンと言えば保守本流。厚めの顔に重厚なヘッドライト形状が伝統だった。それを薄目にすると、まったくイメージが変わって「キーン」になる。これこそがトヨタの狙い。これまでのクラウンのイメージから脱却するために、最も効果的だったのである。
北米向けのマイナーチェンジカローラも、バッジ位置やグリル形状の変更で、シャープな薄目感が強まっている。これまた明らかにキーン度が増していてカッコいい。次期プリウスやGR86も薄目顔になるのでは? と予測されている(あくまで予測です)。
ただ、この薄目顔は、前述のようにヘッドライトのLED化に伴うもので、今は斬新に感じても、近い将来、世界中のクルマが薄目になることは確実。これがトヨタの新しいデザイン戦略というわけではなく、あくまで通過点に過ぎないはずだ。
世のクルマが薄目だらけになれば、逆にパッチリと目の大きなクルマが注目を集める。新型シエンタはその典型。トヨタは決して薄目にこだわっているわけではない。常に斬新で大胆なデザインを取り入れようと貪欲なだけだ。
大径タイヤ装着の理由を「カッコです」と言い切るトヨタ
近年のトヨタの新型車は、どこかに必ず「おっ」と思わせる新しさを潜ませている。もはや驚きのないデザインは失格! という不文律が、社内で形成されつつあるようだ。
10年前、キーンルックが登場したあたりから、トヨタはクルマ作りにおけるデザインの重要性に気付き、それを前面に出すようになったわけだが、この10年間のデザイン改革で、その意識はもはや当たり前で自然なものになったようだ。そして仕上がりも、かつての「なんだこりゃ?」から、「こりゃ脱帽です」になった。
新型クラウンは21インチの大径タイヤを採用しているが、最大の理由は「カッコです」と、開発陣は明言した。
確かに、大きなタイヤをボディとツライチに装着すれば、クルマはそれだけで確実にカッコよく見える。「クルマのプロポーションはタイヤで決まる」と言われるほどだ。
多くの技術者は、タイヤ径やトレッドについて、走行性の向上など、常識的な理由を前面に出し、あえて「カッコのため」とは言わないものだが、それを素直に認めてしまうトヨタ恐るべし。今後もトヨタデザインを刮目して見守ろう。
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コメント
コメントの使い方やっぱり2代目オーリスの顔良いなぁ
今のトヨタ車の顔はカムリやカローラを除いてどれも酷い
新型クラウンはこの前初めて実車を見たけど、なかなか良かったよ