おっさんホイホイ! 20代にはとうてい理解できない「運転方法&めっちゃ懐かしい装備」

■20代のキミ、これわかりますか?→悪役の意味ですか?【ヒール&トゥ】

 ご存じのとおり、右足のトゥ(つま先)でブレーキペダルを踏みつつ、同じ右足のヒール(かかと)でアクセルペダルを煽って回転を合わせるという、伝統的構造のMT車でサーキット等を速く走るには必須のテク。

 昭和の男であれば一度ならずとも、その習得に情熱の炎を燃やした経験があるはずだが、街なかのAT車比率が(たぶん)97%を超え、F1やWRカーであってもクラッチペダルなど踏まない現代の世にあっては、ほぼ完全な死語となっている。

 なお中高年の一部も、この言葉の意味というか発音を間違えている場合が多いのでご注意願いたい。

 ヒール&トゥの「トゥ」の発音は、トシちゃんの『悲しみTOOヤング』の“トゥー”ではなく、トーホーシネマズとかの“トー”である。プロレスラーがリングシューズのつま先で相手を蹴る技(?)を「トーキック」と呼ぶが、意味と発音はあれと同じである。

■20代のキミ、これわかりますか?→黒板に書くアレ?【チョーク】

キャブレターは外部環境の影響を受けやすく、寒い冬場は燃料が薄くなる傾向にあるため、チョークを引いて燃料を濃くすることでエンジンが始動しやすくなる。ラジオの下、シガライターソケットの右横のスイッチがチョーク
キャブレターは外部環境の影響を受けやすく、寒い冬場は燃料が薄くなる傾向にあるため、チョークを引いて燃料を濃くすることでエンジンが始動しやすくなる。ラジオの下、シガライターソケットの右横のスイッチがチョーク

 懐かしい話に寄り道しているとつい長くなってしまうので、以下は粛々と進めよう。

 「チョーク」。昭和の男たちには説明不要だろうが、キャブ車の混合気を濃くして、冷間時のエンジン始動性を高めるためのレバーというか装置である。始動後は当然ながらレバーを元の位置に戻さねばならなかったことも、説明不要であろう。

 しかしながら若い人にチョークと言っても、学校を卒業して間もない子の頭には「黒板に書くアレ」しか浮かばないだろうし、プロレスファンであれば「チョーク攻撃」だけを思い浮かべるはずだ。

■20代のキミ、これわかりますか?→バレーのテクニック?【神岡ターン】

 若い人にはまったくもって通じない自動車用語(?)の筆頭である。

 1980年代から90年代にかけて活躍したラリードライバーの神岡政夫さんが編み出したとされるテクで、要するにめちゃくちゃ深いドリフトアングルを作り、スピン寸前でバックギアに入れることで、自車の挙動を安定させるという伝説のドラテクだ。もっと知りたい方はググってください。

 まぁあくまでも“伝説”であるため、令和の若者がわざわざ知る必要はない用語だとも言える。

■20代のキミ、これわかりますか?→冬に手にバチっと来るヤツですね、どこに流すかは?【静電気逃し(アースベルト)】

リアのマフラーあたりから、地面に向かってチェーンやゴムベルトが伸びているクルマを見たことはないだろうか? 静電気放出用のアースベルトだ。装着率は激減したが、実は現在も新品の購入が可能
リアのマフラーあたりから、地面に向かってチェーンやゴムベルトが伸びているクルマを見たことはないだろうか? 静電気放出用のアースベルトだ。装着率は激減したが、実は現在も新品の購入が可能

 これも「神岡ターン」並みに若者には通じまい。金属製のハーネスと1mぐらいのゴム製ストラップでできた帯のようなものをリアバンパーから垂らし、その先端を地面に触れさせながら走ることで「車体に帯電した静電気を地面に逃すことができる」というアイテムだった。

 しかし1980年代の半ば頃からは「アースベルトを付けている車」を見かける機会は急速に減り、今やほとんど見ることはない。

 廃れた理由は「このベルトがなくてもタイヤに含まれるカーボンブラックが、車体に帯電した静電気を地面に放電してくれているから」ということが周知徹底されたからだ。

 要するにアースベルトはその全盛期から、タイヤの構造材にまだスチールが使われていなかった時代の“遺物”だったのだ。

 とはいえ昨今は逆に、昭和レトロカルチャーを愛好する若衆がファッションアイテムとして、自分の車にダミー的なアースベルトを付けている場合もある模様。うーんマンダム、時代はめぐるわけですな。

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