■乗ってどうなの? 最新直6エンジンミニミニインプレ
マツダが新開発直6エンジンを投入した一方で、従来直6エンジンを搭載していたトヨタ、日産に直6エンジンはない。
スープラRZは直6だが、これはBMWのB58B30B型エンジンだ。
そのBMWは連綿と直6エンジンを主力とし続けている。ベンツがV6に移行した際も直6を作り続け、それがBMWのアイデンティティともなっている。
それだけに、現在M240iやM340i、Z4M40iなどに搭載される2997cc直6ターボは昔ながらの直6の魅力を存分に感じさせる官能的な吹け上がりが味わえる。
387ps、51.0kgmというパワーも充分で、まさに伝統的シルキー6の味わい。
このエンジンがスープラRZにも搭載されている。トヨタ独自の制御マップでも、この官能性は不変である。
これをさらにパワフルかつ官能的に引き上げたのがM3やM4などに搭載されるS58B30A型だ。
吹け上がりのビート感は他のエンジンでは味わえない。510ps/66.3kgmのパワーは過激ですらある。
ベンツのM256型はこのような官能性を感じさせるパワーユニットではない。
ただ、車重2トンを超えるSクラスの車体を重さを感じさせずにスルスルと走らせる動力性能は、マイルドハイブリッド(ISG)のモーターと電動スーパーチャージャー&ターボを組み合わせたパワーマネージメントのたまもの。
そしてマツダの直6だ。3.3Lのディーゼルターボでマイルドハイブリッド(モーターレス仕様もある)。トルコンレスの8速ATが組み合わされる。
ディーゼルということでレッドゾーンは5000rpm。1500回転以下からしっかりとトルクが立ち上がり、2500~3000rpmあたりがトルクレスポンスに優れ、ドライバビリティの高さを実感できるゾーン。
4000rpm以上まで回す場面はあまりない。
高回転まで回さないエンジンなので、直6ならではの吹け上がりやビート感を感じることはないのだが、低回転でも感じる振動のないスムーズな回転フィールは上質だ。
結論。現在の直6エンジン、いずれも魅力的なんです!
【番外コラム01】直6の未来展望 ランドローバーも直6を新開発
ランドローバーがレンジローバースポーツに搭載する3Lの直6(ディーゼル、ガソリン)を新開発。基本的なコンセプトはベンツと同様で、4.5~5L級のV8エンジンをダウンサイズする狙い。今後、特に厳しくなる排ガス規制や燃費への対応に、直列6気筒エンジンには新たな可能性が大だ!
【番外コラム02】日本の直6搭載名車列伝
排気量を拡大し、高回転までスムーズに回し、高出力を得るための方策として多気筒化は必然の流れだった。1960年代にはトヨタや日産、プリンス自動車は直列6気筒エンジンを開発しており、クラウンやセドリック、グロリアなどの高級セダンから搭載を始めた。
当時の直6はSOHCでカウンターフローというのがスタンダード。トヨタ2000GTはDOHCを採用して高性能をアピール。この時代は直6でも2000ccだった。
【画像ギャラリー】現在日本で手に入る直6エンジンとその搭載車たちをギャラリーでチェック!(27枚)画像ギャラリー
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