世界的な人気を受けて各メーカーともにSUVの開発には力を入れている。プレミアムブランドのレクサスもその例外ではない。コンパクトから大型の本格SUVまでラインアップをそろえている。
レクサスの強みは何といってもそのスタイリングだ。進化を続けるスピンドルデザインのフロントマスクは見るものに強い印象を与え、高級感の演出も完ぺきといえる。
では、実際その商品力はどれほどのものなのだろうか? レクサスのSUVラインナップのクオリティとアドバンテージを渡辺陽一郎氏に分析してもらった!
文/渡辺陽一郎、写真/ベストカー編集部、TOYOTA
■国内外の市場で強いSUV
今の日本車メーカーは、その大半が、海外市場を中心に販売されている。トヨタの場合、2021年の実績を見ると、世界販売台数の85%を海外で売った。国内の販売比率は15%だ。
トヨタが展開する上級車ブランドのレクサスになると、この傾向がさらに強まる。2021年には93%が海外市場で販売され、日本国内の比率は7%に留まる。レクサスにとって、日本国内は副次的な市場だ。
この海外中心の販売構成は、レクサスの商品開発にも大きな影響を与えている。トヨタブランドでは、5ナンバー車が減少傾向を辿りながらもコンパクトカーに用意されているが、レクサスはすべて3ナンバー車だ。比較的コンパクトな5ドアハッチバックのCTは生産を終えた。ミドルサイズセダンのHSも廃止されている。
その結果、SUV比率が高まった。SUVは外観がカッコ良く、居住性や積載性も優れているため、北米や中国といった海外の主力市場で人気が高い。国内販売も好調で、今は国内で新車として売られる小型/普通乗用車の内、30%近くをSUVが占める。約25%のミニバンを上まわり、約35%のコンパクトカーに近付いた。
つまりSUVは、国内と海外の両方で好調に販売できることから、各メーカーとも力を入れている。
レクサスは海外向けのブランドとあって、今でもセダンを3車種用意するが、SUVはさらに多く4車種だ。コンパクトなUX(電気自動車のUX300eを含む)、ミドルサイズのNX、上級のRX、悪路向けのLXという具合に、多彩にそろえる。
これらレクサスのSUVに共通する特徴は、運転感覚を適度に機敏に仕上げたことだ。快適な乗り心地と併せて、運転の楽しさも重視している。これはセダンやクーペまで含めたレクサスの全車に当てはまる特徴で、SUVもそこを受け継いでいる。
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