■「誤算」から大きなビジネスリスクに
スケートボード型のアプローチに対し、効率を犠牲にしながらも柔軟性を高めたモジュール指向のe-TNGAが対抗できるかは、トヨタの戦略の正当性を評価する大切な論点でした。
しかし、e-TNGAは頭出し直後から期待を裏切る結果となっています。
このため、
1)e-TNGAを改造しアップグレードする、
2)2029年頃に向けて先行開発してきたスケートボード型の次世代プラットフォームを2026年~2027年に前倒しする、
3)新たな電池メーカーとのパートナーシップを拡大する
など、戦略を一部修正することは不可避ではないかと感じます。
トヨタは2030年の350万台計画に変化はないと言いますが、2025~2026年時点では当初の計画を下回ることは避けられない情勢です。
その後の5年間で急激に挽回できる新戦略の絵姿が見えてくることを確信しますが、具体化にはもうしばらく時間が必要になりそうです。
現地生産と中国排除が必要となる北米市場での誤算は大きく、商品投入が滞り、市場シェアダウンのみならず、CAFEとZEVに向けた規制対応に遅れが生じ、ペナルティを支払うという重大なビジネスリスクも発生しているのです。
●中西孝樹(なかにしたかき):オレゴン大学卒。1994年より自動車産業調査に従事し、国内外多数の経済誌で人気アナリスト1位を獲得。著書多数
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コメント
コメントの使い方ガラパゴス州は切り捨てればいいだけだと思います。その方が地球にも消費者にも良い訳ですし。
しかしスバルには簡単なことでも大企業トヨタには出来ないことなのでしょうか?