■セダンが売れないのは日本だけ?
この10年ほどの間に、日産の首脳陣は、日本市場で販売が低迷しているセダンに見切りをつけ、シルフィやフーガなどを次々に生産中止に追い込んでいる。
また、ボトムの登録車だったマーチも姿を消した。今、ノートに乗っている日産ファンが、上のクラスの新車に買い換えようとすると、EVならリーフかアリアになる。SUVならエクストレイルになってしまう。正統派のセダンとなると、基本設計の古いスカイラインしか用意されていないのだ。
日本だけでなく海外でもクロスオーバーSUVがブームとなっているから正統派の4ドアセダンは減少方向だ。が、ヨーロッパや北米、中国などでは今もセダンの人気が高い。トヨタのカムリとホンダのアコードは、北米市場で引っ張りダコの人気セダンとなっている。月に3万台前後の販売を記録し、利益率も高い。
日本ではセダン離れが指摘されているが、ドイツ製のセダンは堅調だ。メルセデス・ベンツもBMWも、電動システムを加えて環境に配慮したこともあり、それなりにセダンが売れている。
日産の4ドアセダンも海外では販売好調だ。ブルーバードの後継となったシルフィは、海外では今も主役として迎えられている。
2021年にモデルチェンジした最新のB18型シルフィは、スタイリッシュな4ドアセダンだ。
ボディサイズは、全幅こそ1815mmと広いものの、同クラスのBMWの3シリーズやメルセデス・ベンツのCクラスと大差ない。日本の道路でも持て余すことはないだろう。全高も1450mmだから立体駐車場も使える。北米では「セントラ」を名乗っているが、なかなかの人気だ。
■スポーティセダンを求める人は意外と多い
このシルフィ、中国市場には「e-POWER」を用意している。ご存知のように、これは3気筒エンジンで発電機を回して発電し、その動力を使って高性能モーターを回して走行するシリーズ式ハイブリッドだ。
「e-POWER」は、モーターならではの鋭い瞬発力を武器に1クラス上の力強い加速を見せ、静粛性などの快適性も高いレベルにある。ゴーストップの多い街中の走りも得意だから実用燃費もいい。また、ワンペダル制御を導入し、アクセルペダルの加減によって速度を自在にコントロールできるのも魅力だろう。
プラットフォームにも手を入れ、気持ちいいハンドリングも手に入れた。また、自動運転技術のプロパイロットを持っているのも日産の強みだ。「e-POWER」に加え、プロパイロットなどの最新安全装備を搭載すれば、日本のセダンファンは飛びつくはずである。ノートやノートオーラ、ジュークなど、下のクラスからの買い替えだって期待できるはずだ。
また、スポーティな「NISMO」や上質な「オーテック」も仲間に加えれば、さらに多くのファンを取り込めるはずである。スポーティセダンを欲しがっている人は意外と多いのだ。
シルフィとセントラでも大きいよ、という人には「ヴァーサ」という選択肢も残されている。これはラティオの後継セダンだ。アメリカではセントラの下、日産のボトムを受け持っているエントリーセダンである。
2019年に新型になり、外観はセントラと似たスポーティなルックスだ。ボディサイズも全長4495mm、全幅1740mm、全高1455mmと、日本で乗るには最適なサイズである。1.6Lの直列4気筒エンジンを積み、5速MTも設定した。日本では「e-POWER」を搭載し、販売すれば欲しがる人は多いだろう。今、この市場はカローラしかライバルが存在しないから、狙い目だと思う。
日産が元気を取り戻すためにも、日本人にとって魅力的な4ドアセダン、スポーティセダンの投入と販売を期待したい。
【画像ギャラリー】国内セダンはスカイラインのみ!? 復活熱望!! ブルーバードと日産セダンの軌跡(24枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方日産はもう終わってます。
他のメーカーに抜かれ今はジリ貧。
もう過去の様な栄光は来ないし昔の様に日産車を買うことは恐らく無いと思いますが。
ノートオーラセダンでも作ったら良いんじゃない?(笑)
これならあまり金もかからないだろうし。
星野朝子というゴーン軍団の残党が居座り続ける限り、ブルーバード級のスポーツセダンの実現なんて夢のまた夢ですよ。
星野副社長は、言っちゃ悪いけど、利益重視の考えなのと絶対クルマのビジネス知らなさすぎると思います。