■ミニバンでこの値は立派! トヨタ初代エスティマ(Cd値0.35)
90年代のミニバンブームをつくり上げた、初代「エスティマ」。3列シートの流れるようなフォルムのエスティマのCd値は0.35。ワンボックスタイプのミニバンが主流だった時代においては、驚異的な数値だ。
短くなだらかなフロントノーズをもつエスティマは、エンジンをフロア下に移動し、右に75度傾けてフロア下に搭載、アンダーフロアミッドシップとした。ちなみに2000年登場の2代目エスティマはCd値0.30まで改善、クラストップレベルを維持していた。
■当時世界一の燃費を達成!! ホンダ初代インサイト(Cd値0.25)
トヨタの初代プリウス(1997年登場)に対抗するかのように1999年に登場した、ホンダ初代「インサイト」。後輪をスカートで覆い、車両後端で空気が滑らかに後ろへ流れるよう、ファストバックデザインを採用していた初代インサイトのCd値は0.25。ライバルの初代プリウス(0.30)を大きく抜いていた。
NSXと同じアルミニウムフレームを採用、樹脂パネルも多用し、850kgの超軽量化を達成。エンジンは1.0リッター直列3気筒エンジンにモーターを組み合わせた「IMAシステム」を搭載し、35.0km/Lという当時世界一の燃費をたたき出した。
2シーターのハッチバックという形状もあり、販売数はイマイチだったが、大いに話題となった一台であった。
■ダウンフォースと空気抵抗のトレードオフを両立! 日産R35型GT-R(Cd値0.26)
2007年に登場した日産「R35型GT-R」。そのCd値はなんと0.26だ。一般的には、空気抵抗を減らそうとすればダウンフォースが犠牲になり、ダウンフォースを優先すれば空気抵抗は大きくなる。
そのトレードオフの両立を狙ったGT-Rは、低いCd値を実現しながらも、強力なダウンフォースを発生させることに成功。300km/hでも安心して走るため、スポーツカーの世界でも、Cd値の低減は当たり前のものとなった。
■当時の世界最高レベル!! メルセデス・ベンツAクラスセダン(Cd値0.22)
メルセデス・ベンツが2018年に発表したAクラスセダンは、登場当時、量販車で世界最高レベルのCd値0.22を達成していた。ちなみにAクラスハッチバックは0.25だ。
CAEやシミュレーション、風洞実験をくりかえしながら細部の形状を詰め、グリルシャッターの導入や、フロアパン、リアアクスル部品、ディフューザーを含むアンダーボディのほとんどをフラットパネル化。ホイールリムとタイヤにもエアロダイナミクスの改良が施されているという。
その後、2022年に販売開始された同社の大型BEV「EQS」が、Cd値0.20を記録して市販車の世界最高レベルは上書きされたが、メルセデスの持つ、エアロダイナミクス設計の技術力の高さは、他のメーカーを一歩以上、抜きんでている。
コメント
コメントの使い方この流れでなぜヒョンデのIoniq 6がリストアップされないのでしょうか。最新モデルでCD 0.21と、量産車として歴代トップクラス。世界で評価の高いヒョンデ。デザインも意欲的でかなりいい。
確かにEVは、冷却用開口部が小さくていいなどCD値に有利な条件があるかもしれませんが、市販車でこの値は特筆すべきでしょう。
ぜひ変なバイアスなく多くの車の情報を紹介していただきたいと思います。