ホンダ シビックハイブリッドは音もイイ!! 気になるのは価格だけか!?

■評論家 渡辺陽一郎はこう見た!

いつものように後席膝前のチェックに余念がない渡辺陽一郎氏。居住性やハンドリングに不満はないが、いかんせん割高感には納得いかないようだ
いつものように後席膝前のチェックに余念がない渡辺陽一郎氏。居住性やハンドリングに不満はないが、いかんせん割高感には納得いかないようだ

 シビックは2022年1~11月に、1カ月平均で700台少々を登録した。販売しにくいミドルサイズハッチバックとしては堅調だ。

 その理由は試乗するとわかる。ボディ剛性を高めて走行安定性が優れ、後輪を確実に接地させたうえで、操舵に対して車両が進行方向を正確に変える。安全で、車両が思いどおりに動くから運転して楽しい。

 この優れた基本性能を生かして、最高出力が330ps、最大トルクは42.8kgmのシビックタイプRも前輪駆動で開発できた。

 ハイブリッドのe:HEVは、エンジンが主に発電機を作動させ、駆動はモーターが受け持つ。したがってアクセル操作に機敏に反応して、加速も滑らかだ。

 ただしエンジンは発電を受け持つのに、加速時には、回転数が有段AT風に上下する。制御は巧みで本物の有段ATと錯覚するほどだが、運転中は騙されている気分になった。エンジン回転数を上下させると、厳密には燃費効率も悪化するから、キャンセルを可能にするといいだろう。

 内装は上質で、後席の足元も広く、4名で乗車しても窮屈に感じない。乗り心地は時速40km以下では少し硬いが、粗さはなく、速度が高まると快適になる。5ドアハッチバックだから、後席に座ると後輪が路上を転がる時に発するノイズが耳障りだが、この点を除くと居住性に不満はない。

 問題は価格だ。e:HEVは単一グレードで394万200円に達する。1.5Lターボを搭載するEXとの価格差は約40万円で妥当だが、シビックは基本価格が割高だ。e:HEVは360万円に抑えたい。

 また1.5LターボのLXに相当する装備のシンプルなe:HEVを325万円に設定すると、価格帯が新型プリウスの2Lハイブリッドと同等になる。現状では新型プリウスの2Lグレードと比べても割高だ。

・パワー感:★★★★☆
・ハンドリング:★★★★★
・室内の質感:★★★★☆
・乗り心地:★★★★☆
・お買い得感:★☆☆☆☆

●ホンダ シビックe:HEV主要諸元
・全長:4550mm
・全幅:1800mm
・全高:1415mm
・ホイールベース:2735mm
・車両重量:1460kg
・最小回転半径:5.7m
・最低地上高:135mm
・エンジン:直列4気筒DOHC
・総排気量:1993cc
・最高出力:141ps/6000rpm
・最大トルク:18.6kgm/4500rpm
・モーター最高出力:184ps/5000-6000rpm
・モーター最大トルク:32.1kgm/0-2000rpm
・サスペンション:前)ストラット式 後)マルチリンク
・タイヤサイズ:235/40ZR18 ミシュランパイロットスポーツ4
・WLTCモード燃費:24.2km/L
・価格:394万200円

【画像ギャラリー】2022年パフォーマンス・カー・オブ・ザ・イヤー受賞のホンダ シビックe:HEVをじっくり評価!!(22枚)画像ギャラリー

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす ≫

最新号

S-FR開発プロジェクトが再始動! 土屋圭市さんがトヨタのネオクラを乗りつくす! GWのお得情報満載【ベストカー5月26日号】

S-FR開発プロジェクトが再始動! 土屋圭市さんがトヨタのネオクラを乗りつくす! GWのお得情報満載【ベストカー5月26日号】

不死鳥のごとく蘇る! トヨタS-FR開発計画は再開していた! ドリキンこそレジェンドの土屋圭市さんがトヨタのネオクラシックを一気試乗! GWをより楽しく過ごす情報も満載なベストカー5月26日号、堂々発売中!