■バイト小熊はこう見た!!
以前シビックの1.5Lターボに乗った際は、いいクルマだけど「爽快シビック」というほど爽やかなクルマではないな……というのが正直な感想でした。
しかし! シビックe:HEVは「これぞ爽快!」な仕上がりでビックリしました。
最初に驚いたのがe:HEVの万能さ。街中ではモーターのみでの走行でほぼ無音。一方、高速域ではエンジンと直結し、ビックリするような加速ではないものの伸びがよく、高回転のNAエンジンのような快感を味わえます。
そして、e:HEV以上にビックリしたのが乗り心地。電子制御サスペンションではないのでモード切り替えをしても減衰力が変わることはないですが、低速域から高速域までフラットで突き上げもほぼなく、コーナリングでもよく粘るので気持ちいい!
1.5Lターボも乗り味はかなりよかったですが、さらにレベルが上です。同乗者が酔う心配もないのではないでしょうか。
不満点を挙げるとしたら、ガソリンモデルとの外装の差別化がわかりにくい点くらいでしょうか。約400万円をお買い得とは言いづらいですが、ライバルとなる欧州のハッチバックにない魅力が詰まっており、日本の道で真価を発揮できるパフォーマンスを考えれば、そこまで高価とは感じないはずです。
・パワー感:★★★★☆
・ハンドリング:★★★★☆
・室内の質感:★★★★☆
・乗り心地:★★★★★
・お買い得感:★★★☆☆
■評論家 鈴木直也はこう見た!
ハードウェアとしては文句ないほどよくできてるんだけど、いまひとつ売れゆきがパッとしないのがシビックの悩み。
国内市場の販売台数データを見ると、だいたい月500〜800台ペースでランキング40位前後。北米では月2万台ペースで売れていることを考えると、「もうちょっと売れてもいいのにネェ」と他人事ながらタメ息が出る。
この日米の落差、残念ながら日本人の購買力が落ちたことが大きな原因と言わざるを得ない。
試乗したシビックe:HEVは、日本市場はほぼフルオプションのワングレードのみで、価格は400万円弱。
われわれ庶民は「正直ちょっと高いなぁ」と感じるが、これをドル換算すると約3万ドルで、アメリカ人にとっちゃむしろ「割安じゃん」といえる値付け。だからこそ、月2万台も売れるわけだ。
このへんはホンダの国内営業も重々承知しているところで、日本ではスポーティさを前面に出してスタイリッシュなクーペで売りたいというのが販売戦略。今の日本、スポーティな4ドアクーペは「趣味のクルマ」だから、売れてもいいとこ月1000台。
というわけで、かつて日本を代表するコンパクトカーだったシビックは、今やアウェイの日本市場で新たな立ち位置を模索しているというわけだ。
2Lハイブリッドのパワートレーンやシャシー・プラットフォームなどに関しては、冒頭にも述べたとおり「ハードウェアとしては文句なし!」と言いたいほど出来がいいから、デザインやキャラクターが気に入ったら超オススメ。
特に、シャシー性能(ハンドリング)については、ぼくは世界的にもCセグハッチバックのベストと評価している。
もっと売れてもおかしくないのに、惜しいよねぇ。
・パワー感:★★★★☆
・ハンドリング:★★★★★
・室内の質感:★★★★☆
・乗り心地:★★★★☆
・お買い得感:★★★☆☆
コメント
コメントの使い方