東名高速道路屈指の渋滞の名所となっている大和トンネル。なぜ大和トンネル付近は渋滞が発生しやすいのか、2021年に完了した拡幅工事で渋滞はどう変化したのか? さらに渋滞軽減に効果がある、適正な車間距離を保つ走り方についてもご紹介する。
文/高根英幸
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■高速道路の渋滞の種類は3つ! どのようなメカニズムなのか?
高速道路の渋滞には大きく分けて3つの種類がある。1つは交通事故による車線減少や見物渋滞が原因の「事故渋滞」。2つめは道路工事による車線減少が原因の「工事渋滞」。3つめが交通量が多いことが原因の「自然渋滞」だ。
大和トンネル付近での渋滞は交通事故が起きたときだけでなく、道路工事しているときだけでもないから、自然渋滞であることは明白だ。ところがこの自然渋滞にも、実はさまざま様々なメカニズムが作用している。
そもそも東名高速道路の横浜町田IC~海老名JCT間は、1日の通行量が14万台にも上り、高速道路としては日本一交通量が多い区間と言われている。大和トンネルはその区間内にあるから、当然渋滞しやすい。
しかし自然渋滞の因子は交通量の増加だけではない。それなら同じ交通量の道路はすべてがノロノロの渋滞になるハズなのだ。交通量が増加すると渋滞しやすい箇所から渋滞することになるのである。
■渋滞しやすい道路とはどのような道路か?
渋滞しやすい道路の構造としてよく言われるのが、サグと上り坂付近だ。サグとは下り坂から上り坂に変わるところで、下り坂ではアクセル開度を少なめにしても速度が維持できるが、それから上り坂になっても速度の低下に気が付かないドライバーも多く、それによって自然渋滞が発生する。
またインターチェンジやジャンクションなど合流地点も交通集中と速度が低下するため、渋滞が発生しやすい。この合流付近では交通事故も起こりやすいため、なおさら渋滞が起こりやすい。
それとトンネル付近も渋滞が発生しやすいポイントだ。しかもこれにも理由がいくつか存在する。山の中を通過するトンネルは、中央付近をピークに道路はわずかに山なりになっている。
これにより中央に地下水などが貯まらないようにされているのだが、海底トンネルなど地上より低いトンネルは構造上、入り口から下り坂で中央付近が最も低く、出口に向けて上り坂になっている。つまりサグになっているので、さらに渋滞が発生しやすいのだ。
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