市販ナビ採用例ほぼなし!! なぜCarPlayとAndroid Autoが使えない機種が多いのか

■市販ナビのスマホ連携機能は少し違う!? 今の中身とは

楽ナビの最新モデルもフローティングモニターを採用。オンライン機能も充実しているが、CarPlayなどには未対応
楽ナビの最新モデルもフローティングモニターを採用。オンライン機能も充実しているが、CarPlayなどには未対応

 純正品はディスプレイオーディオとオプションとはいえ専用カーナビを両立しているのに市販品はなぜ両方搭載しないのだろうか。理由は割と簡単で、やはりコストの問題が大きい(契約上の問題もあるが、これは今回割愛する)。

 AV一体型カーナビの場合、昔のようにHDDやディスクドライブの採用はほとんど無くなった。つまりメカレスになったことでコストを大幅に抑えることに成功している。

 それでも地図データやナビを動かすための専用チップは必要だし、各種センサー類はディスプレイオーディオよりも高性能なので当然価格は高くなる。

 さらに言えばカーナビとディスプレイオーディオを動かすいわゆるOSは同じものではない。異なるOSを搭載すればどうなるかはざっくりでもイメージできるのではないだろうか。

 またAV機能に関してもある種の割り切りがある。AV一体式カーナビの場合の多くは最低でもワンセグTVチューナーを搭載しているが、ディスプレイオーディオの場合、ほとんど搭載されていない。過去にはJVCケンウッドが地デジ内蔵DAを発売したことがあるが、現在は終了している。

■マーケット的にも嗜好が異なる場合も

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 また市販のディスプレイオーディオを購入しようというユーザーはどちらかといえば高感度層やイノベーター層といわれる人が多い。使用しているスマホをシームレスに接続することで、いわゆる「スマホライクな操作性」や「先進性」を使いこなしているという満足感も得たいと感じている人もそれなりに多いのだ。

 Bluetooth接続やスマホの通信機能を活用しサブスクリプションの音楽サービスなどを積極利用したい層などにもCarPlayやAndroid Autoは適している。それぞれ対応するサービスには違いはあるが、これを市販のAV一体カーナビで活用する場合、サービスの初期起動はスマホ側で行わなければならない。

 しかしディスプレイオーディオの場合は画面へのタッチ、または「Hey、Siri」や「OK Google」などの音声コマンドでスピーディに使いこなすことも可能だ。

 このようにユーザーの嗜好や再生できるコンテンツにもそれぞれ違いや特性があり、それらを全て盛り込んでしまうと大幅な価格上昇は避けられない。

 ユーザー側は「自分がカーナビやAV機能に対して何を求めるのか」をしっかり認識した上で商品選びをするのがベストだ。

 現状では両立自体はほぼ難しいと考えて良いだろう。もし両立したとしても、使うのは1台につきひとつだ。AV一体型カーナビとスマホナビを同時に使っている人はいるだろうし、筆者の場合はも純正カーナビと単独利用ができるディスプレイユニット(AV機能は無い)を使っているが、これはあくまでもイレギュラーな利用方法だ。

■ディスプレイオーディオに新しい流れが来る

AppleCarPlayとワイヤレス接続可能な車種も増えてきた!! 乗り込めば自動で接続されるため非常に便利
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 現在、ディスプレイオーディオとスマホとの接続は“基本”有線ケーブルによる接続だ。

 わざわざ“基本”と書いたのは純正でもワイヤレス接続できる車種が少ない点、また有線接続することでスマホの充電が行えるメリットなどもあるからだ。

 もちろんスマホの充電に関しては昨今、こちらもワイヤレスによる「Qi」充電が拡大しているので、ケーブルレスによる接続は今後増えていくことは間違い。

 ちなみに別売されている市販の接続機器(ドングル)を除けば、CarPlayはワイヤレスに対応しているが、Android Autoはこれまで対応していなかった。しかし、2022年9月の電波法改正時に新たな5.2GHz帯のWi-Fi電波の自動車内利用が解禁されている。

 これにより主要国の中で唯一ワイヤレス利用に非対応だった日本でも今後はAndroid Autoでもワイヤレス接続が可能になるのだ。

 もちろん車両側や市販モデル側がそれらのアップデートに対応する必要があるのだが、将来発売される機器に関しては期待が持てるだろう。

【画像ギャラリー】38インチも!? デカすぎるモニター搭載車イッキ見(5枚)画像ギャラリー

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