欲しいクルマに手が届く！　知ってそうで知らない!!　認定中古車のメリット・デメリットを考える

■「メーカーが取り扱う中古車＝認定中古車」ではない！

　一般的には自動車メーカー系で扱っている中古車＝認定中古車という認識を持つ人も少なくないが、認定中古車はメーカー以外の中古車販売店でも取り扱っている場合があり、先述した第三者機関を通して査定や鑑定を行い、優良車であることをアピールして販売している。

　また、メーカー系の認定中古車は、第三者機関の検査基準のほか、独自に基準を設けていることがほとんど。たとえば、レクサスの認定中古車では、

●事故車・多走行車・過走行車に当てはまらない
●初度登録から8年未満

という車両に限られており、納車前には12品目の部品交換と90項目以上の点検・整備を行うことを条件として掲げている。さらに、2年間の走行距離無制限保証や無料修理、無料のメンテナンスプログラム、事故時に専属オペレーターと繋がるテレマティクスサービスなど、納車後のアフターフォローも充実している。

　こうした独自基準はメーカーによって異なるが、いずれにしても品質が安定しており、車両の状態が把握しやすいので、初めて中古車の購入を検討している人でも不安なく選ぶことができる。

　品質の高さがメリットとして挙げられるが、それだけに一般的な中古車よりも値段が高い。中古車の価格を左右する要素として、［1］需給バランス、［2］人気（車種や色）、［3］車両のコンディションが挙げられる。

　つまり、認定中古車の値段が高くなる理由は、コンディションがとびきり良好であることに尽きる。もちろん一般的な中古車の品質が劣っているということではなく、認定中古車は特に状態のいい車両が選抜されているから、それが一般的な中古車との差になっているのだ。

　保証が充実しているのも認定中古車のメリット。保証内容や期間はメーカーによって異なるが、おおむね購入後、数年間、期限内に保証対象の不備・トラブルがあったときには無償で修理が受けられる。

　裏を返せば、こうした新車と同等の保証が付いているからこそ、車両に不備が生じる可能性が極力低い車両は選抜されない、とも言えるし、だからこそ販売店は自信を持って提供できるというわけだ。

■価格と流通量というハードル

　認定中古車の販売価格が高いとはいっても、クルマはどんなに最新でも一度車検証が発行されれば、その時点から価値は大きく下がっていくわけだから、新車を購入するよりもコストは遥かに抑えられる。

　しかも一般的な中古車の場合は、コンディションが一定ではないことが多く、年式が新しいとか走行距離が少なくても状態がいいとは限らない。その点では、車両の品質を保証されている認定中古車は、コンディションに不安が残るということはありえない。

　注意点としては、車両のバリエーションが少ないということ。認定中古車は、走行距離、年式、内外装の状態、修復歴の有無など、厳しい審査を通過した車両だけが認定され、売られているため一般の中古車に比べると、圧倒的に流通台数が少ない。

　つまり、グレードやボディカラー、装備など、自分の好みに合った車両が見つけにくいというのが難点と言える。よって認定中古車を購入する場合は、品質以外の要件について購入時の優先順位を明確にしておくといいだろう。

　改善されつつあるとはいえ、依然として新車の納期は長引く傾向にある昨今、中古車を愛車購入の選択として検討している人も少なくない。

　今どきの中古車は、車両そのものの品質や性能が上がっていることから、ハズレを引く確率は以前ほど高くなくなった。それでも、素性がわかりにくいことが不安を煽ることに繋がるわけだが、認定中古車ならば価格に見合った安心と満足が得られるのは間違いない。

　価格が高ければいいというものではないが、実際に認定中古車をチェックしてみれば、高いもの（逆もしかり）にはそれなりの理由はあることが理解できるはず。クルマの購入コストを少しでも抑えたいから中古車を選んだが、安心も度外視できないというなら認定中古車はひとつの選択肢として断然オススメだ。