大きく重くなりすぎた日本車へ苦言「日本の道に合わせて!」5ナンバー復権のお願い

大きく重くなりすぎた日本車へ苦言「日本の道に合わせて!」5ナンバー復権のお願い

 かつては、(5ナンバー車よりも)税金が倍以上も高かったことなどから、「お金持ちのクルマ」だった3ナンバー車。しかし現在は比較的コンパクトなモデルであっても3ナンバーを必要とするクルマは多く、50年以上日本の庶民のクルマとして活躍しているトヨタ「カローラ」も、2019年(カローラスポーツは2018年)に3ナンバーとなった。

 カローラのように、近年3ナンバー車が多くなってきているもっとも大きな理由は年々厳しくなる衝突安全性能に対応するためだ。クラッシャブルゾーン(衝突時に潰れることで衝撃吸収する部位)を確保すると、どうしてもボディサイズは大きくなるし、かといって車室内の居住性を犠牲にするわけにはいかない(むしろ高いレベルで求められる)。

 しかしいま現在も、販売台数ランキングの上位にいるのは、ヤリス、ルーミー、ライズ、ノート、フリード、シエンタなど、いずれも5ナンバー車。やはり日本にはコンパクトで軽い5ナンバー車が必要だ、ということで、5ナンバー車の魅力とともに、今後期待される5ナンバー車の地位向上についてお伝えしよう。

文:吉川賢一
写真:TOYOTA、NISSAN、HONDA、MAZDA、SUZUKI、DAIHATSU、SUBARU、VW

どんな道に遭遇しても気楽に運転できるのが、5ナンバー車のよさ

 5ナンバー車最大のメリットは、やはり「運転のしやすさ」だ。道路整備が進み、道路幅にゆとりのある道が増えた昨今だが、道幅の狭い道が無くなったわけでなく、古い街並や都心であっても急に道幅が狭くなっている箇所はまだまだある。土地勘のない場所で、カーナビに誘導され、狭い道を走らざるを得なくなった場合でも、全長4700mm以下、全幅1700mm以下、全高2000mm以下と決められている5ナンバー車ならば余裕をもって運転ができる。ボディサイズのほか、軽い車重も、「運転のしやすさ」に貢献するポイントだ。

 ボディサイズがコンパクトであることから、ホイールベースも長くなることはなく、タイヤ径も小さい。そのため、狭い場所でも、取り回しが楽で(ドア長も短いことから)乗り降りも(ヒンジドアであっても)楽。クルマを使う際に感じるストレスが、ボディサイズが大きい3ナンバー車とは段違いに軽減されるのだ。

 そしてもちろん、自動車税(種別割)が安い、という点もメリットだ(5ナンバーは2000cc以下のため、必然的に自動車税は39,500円以下となり、2001cc以上の3ナンバー車に対して税金はリーズナブル)。もちろん、3ナンバーであっても2000cc以下のクルマもあるが、排気量に規制のある(=かかる税金に上限がある)ことは、5ナンバー車のひとつの良さといえる。

5ナンバーサイズの代表格、トヨタシエンタ。5人乗り、7人乗りがあり、ファミリー層には最適解といえるコンパクトカーだ。世界中を見わたしても、これほどの使い勝手の良いクルマは、このシエンタとフリードくらいだろう
5ナンバーサイズの代表格、トヨタシエンタ。5人乗り、7人乗りがあり、ファミリー層には最適解といえるコンパクトカーだ。世界中を見わたしても、これほどの使い勝手の良いクルマは、このシエンタとフリードくらいだろう

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