■鉄道車両の世界 ── 都会の車両が地方へ、世界へ
お次は鉄道の中古車両事情、どんな感じなのか?
鉄道車両はとにかく高価だ。大手私鉄企業ならば新車をどんどん購入できるけれど、地方の中小私鉄にとって新車購入は経営を大きく圧迫する。だから、大手私鉄でお役ご免となった車両が中古車として地方私鉄に譲渡されるのはごくごく普通のこと。
ちょっと前の鉄道車両は寿命40年程度に設定されていたから、メンテナンスをしっかりすればまだまだ使えるし、最近の車両よりも頑丈で壊れにくいという利点もある。
関東だと埼玉県の秩父鉄道には元東急の8500系や8090系といったステンレスボディの近代的な車両が中古として走っている。都営三田線で走っていた6300系も走る。こちらは熊本電鉄にも譲渡されて今も現役だ。熊本電鉄には東京メトロ銀座線の01系も走っている。
ちなみに秩父鉄道では、数年前まで元国鉄の通勤電車の代表車両101系も! 廃止直前には中央線のオレンジ色などに塗り直されて、懐かしいシーンを再現していた。
京王電鉄の古い車両5000系が千葉県の銚子電鉄や山梨県の富士急行、四国の高松琴平電鉄や島根の一畑電鉄に譲渡されているケースもある。面白いのは、ほかのケースでは線路幅(軌間)が共通な路線同士での譲渡なのだが、京王電鉄は特殊な軌間を採用しているため、譲渡に際してわざわざ改造をしていたこと。丁寧な受け渡しだ。
最近では海外へ中古車両が輸出されるケースも多い。JR東日本武蔵野線の205系や東京メトロ有楽町線の7000系がインドネシアに輸出されている。日本の誇れる中古モデルが世界で活躍中だ。
■軽トラック ── クロカン走行のために購入されるケースも
庶民の力となる働くクルマの代表選手。存分に働いてもらうために中古車を一気に購入する会社や、農家の方が個人購入など需要は高い。
さらに、頑丈なフレームを活かしてクロスカントリー走行を楽しむために中古軽トラを購入する人もいる(もちろんMTモデル)。それらのニーズに応えるために中古軽トラを扱う専門店もあるほど。
■農機具業界 ── 中古をバリバリ活用中!
こちらも当然新車が欲しいが、最初のバス同様、新車トラクターが1000万円もする世界。
農家のみなさんはお古の農機具を購入して畑で使うケースも多いという。中古農機具を扱うサイトも充実し、例えばJA関連のJUM(全国中古農機市場)にはクボタやヤンマーなどのトラクターやコンバイン(稲刈り機)などの中古モデルが充実。
例えば1318時間使用のヤンマー・トラクターが55万円。日本の食を支えてほしいです。
コメント
コメントの使い方