【バス、電車、船…】 超長期で活躍する乗り物たちの中古事情と新型導入事情

■船舶業界 ── 上玉の船は早めに売れる!

 船といっても客船、交通船、趣味のボート、漁師船などがあり、今回、それらの中古を販売する(株)YSの担当者へ取材。その情報をご紹介。

 全般としてAクラス(15~20年落ち)、Bクラス(20~30年落ち)、Cクラス(30年落ち以上)に分かれており、中古の流れはバス業界と酷似。大手船舶会社の払い下げを中小、零細企業は待っている状況。

 上玉のAクラスの船は早めに売れ、Cクラスはフィリピンなどの東南アジアの人が買うことが多い傾向という。だから、YSのWEB上には英語表記もある。

1995年製のBクラスとなる漁師船。買う側が重視するポイントはエンジン(試乗で確かめる)。また積載能力も重視するという。価格は漁師船のAクラスなら新型船価格の半分ほどの値落ちになる

■重機業界 ── 中古購入やレンタルが浸透

 写真はコマツタイヤショベル(2008年式)。中古価格880万円。重機業界にも中古での購入やレンタルが浸透している。新車は大手企業が購入し、数年後そのお古を中小が専門店やネットで購入する、という図式だ。それで業界がうまく循環しているという。

 作業現場では数多くのタフな中古モデルが活躍中だ。

重機の新車は数千万円が相場。仕事効率を考えると、タフに存分に働く中古でも問題なし、という業界だ。実際、20年選手でも問題なく働く

■【インタビュー】 銚子電鉄の社長さんに直撃「中古車両っていくらなんですか?」

 前項のレポートにも登場した千葉県の銚子電鉄。今回、竹本勝紀社長に話を聞を聞くことができた。ご紹介しよう。

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■現在走っている車両は何でしょうか?

 現在、2両1編成で全3編成。すべてもともと京王電鉄で走っていたものです。例えば1962年製2000形。京王のあと、四国の伊予鉄道で走っており、48年落ちで私どもが購入しました。ちなみに私と同じ年の現在56歳。なので私も中古(=中年)です(笑)。

千葉県・銚子電鉄が2016年導入の3000形。1963年製で52年落ちを購入したもの。きれいに維持され、観光客にも人気だ

■以前から京王電鉄からの購入(譲渡)だけですか?

 いえ。たとえば長野県伊那鉄道や滋賀県近江鉄道で新車として走っていた車両を購入したり、東京メトロの銀座線や丸の内線で走っていた車両も。

■56年前の車両、今走らせても大丈夫なんですか?

 鉄道の「法定対応年数」、電気車両が13年、ディーゼルは11年です。でもクルマと同様、新型から13年すぎてもメンテして減価償却するまで使う、というのが通常です。ちなみにクルマ同様車検があり、3年に1回。費用は約1500万円かかります……。

こちらは同じく中古で導入された2000形

■購入した時の価格を教えていただけませんか?

 一般的に電気の鉄道車両は1両=約2億円。シートや内装などオーダーメイドの部分があるので。先ほど話に出た1962年製48年落ちの車両、伊予鉄道から1両12万円で購入したんです。でも、船での運搬費が4両で3000万円かかり、その後、“ワンマン運転”用改装費などで、もとの4両=48万円が、1億6000万円ほどに。新車の1両=2億円よりは安いですけどね(笑)。

名物の「ぬれ煎餅」に続き、昨年から「まずい棒」を発売し大ヒット。ネット通販でも購入可。『銚子電鉄』で検索すべし(宣伝)!


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