■電気とともに新たな水素戦略も
また、ホンダは2月2日に次世代燃料電池システムの開発と外販、次期燃料電池車投入計画など、新たな水素戦略を発表した。ホンダは、これまでも水素は電気とともにカーボンニュートラル実現に向けた非常に有望な再生エネルギーキャリアと捉えて、FCEVの開発を進めてきた。
2002年のFCXの日米同時発売を皮切りに2008年にFCXクラリティを発売、2016年にクラリティFUEL CELLを発売している。この間、米GMと燃料電池システムの共同開発で提携しており、次期FCEV投入計画として2024年に5人乗りSUV「CR-V」ベースの新型車を発売することを発表した。
加えて次世代燃料電池システムを開発し、乗用車だけでなく商用車・定置電源・建設機械の四つの水素ビジネスで外販していくことも発表した。
特に、商用トラックは2021年にいすゞと燃料電池大型トラックのプロトタイプを完成させ、2023年度中に公道実証実験を始める。また、中国で東風汽車集団と共同で燃料電池中型トラックを製作し性能検証を始めている。
BEVと並行して展開するホンダFCEVを含む水素ビジネスだが、その課題は、水素供給を含めた水素エコシステムの形成が不可欠であること。まずは水素ステーション網の拡充が求められる。
■いよいよ三部体制の真価が問われる
ホンダは、BEVとFCEVの「二刀流」で脱エンジンを進めるが、その行方はウクライナ・ロシア問題を含めた地政学的エネルギー対応など国家戦略とも連動しての対応ともなろう。
2023年4月で就任3年目に入る三部ホンダ体制。この間、脱エンジンに向けてのグローバルラインナップでの車種削減、四輪事業の低利益化(営業利益率1〜2%)からの打開へ変革を求められてきた。
2023年4月から電動事業開発本部の新設、地域本部の見直しなどのテコ入れとともに、二輪事業を長く見てきた青山真二専務が副社長に昇任して三部・青山のトップコンビで、三部体制の真価が問われることになる。
【画像ギャラリー】創業時からの伝統「エンジンのホンダ」を捨てても改革に挑む!! 未来へむけてのホンダの戦略(10枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方水素が勝つことは当分の間は世界が許さないでしょうけれど、ガラパゴスしようが国内だけでも官民で進めていければ
HVの時と同じように、十~十五年後にEUも北米も追従することになります。そこまでの間、EVを繋ぎとするのは正しい。
ホンダが日産のようにEVのみ一本で動くのはリスクも多いし未来がないと思います。このまま両輪で進めてほしい・