■リアの空力はどうだ!?
リアを見ると、やはりBMWのほうが空力面での優位が見て取れます。BMWのトランクリッドは平らな面がちゃんと長さを取っていて、また後端が反り上がって、後方に巻き込む風を防止しています。
さらに、リアコンビランプのサイド面が直線的に後方に伸びていますが、これがサイドから巻き込む風を防いでいます。
対してシビックは、リアハッチゲートの後端部が短く、平らな面がないため、風を後ろ上方に跳ね上げられず、傾斜角に沿って斜め下に巻き込むために、車両後方に渦を作ります。
後部荷室は、BMWは深さも奥行きも充分です。フロアボードの下に、さらにアンダーフロアがあります。これは面白い仕掛けです。通常はフロアボードを展開することで、バンパーラインの高さとツライチになり、重量のある荷物の積載性がいい。
一方、高さのある荷物を入れる場合は、このフロアボードを折りたたむように収納することで深くなる。これなら大型スーツケースを2段積みにできます。
また、トランクリッドが長いアームを使って大きく前方にオフセットして開くので、開口が大きく、大型スーツケースの出し入れなどでもスムーズです。使い勝手のいい荷室です。
シビックはハッチバックで開口部が広く、大きなスーツケースなどの荷物の出し入れがしやすいです。また、荷室フロアが低く左右幅もたっぷりとっています。ハイブリッドでモーター駆動用バッテリーを搭載しながら、この荷室容量を作り出すのは見事です。ホンダは低床プラットフォームの設計が上手です。
■工夫が感じられるBMWの室内
インテリアを見てみましょう。2シリーズグランクーペは、毎度おなじみのBMWです。運転席に座ると、ドラポジはFR的です。シートは全体的にややセンターにオフセットしていますね。ステアリングのセンターに対しお尻のセンターが30mm程度センター寄りです。これによってペダルの位置が自然です。
右足をスッと伸ばした位置にブレーキペダルがあり、踏み間違い防止に大きな効果があります。また、側突の衝撃低減にも大きな効果があります。ウエストラインが高く側窓下端が高い位置にありますが、これによって側突時の乗員受傷を減らしているのです。
シートそのものは硬いです。特に前端角が硬く、腿の裏が少し痛いです。
後席のドアは、乗降性もよく開閉もしやすいです。ずいぶんと小さいドアですね。サッシュレスなので、より小さく見えます。
にもかかわらず後席ドアの足元開口は3シリーズよりも広く、足の通過性もよい。トランクスペースの作り方といい、これは絶妙なパッケージ設計です。それにしてもヒップポイントは高い。前席下に足先が収まるので足元は余裕です。
グランクーペはサッシュレスドアなので、ウエザーストリップはしっかりと厚みがあってキッチリと隙間を押さえています。前後ともにドアを閉めた際、側窓がキュッと上がって密閉性を高める構造も、他モデル同様です。高速走行時のピュー音を防ぐには、この構造が必須です。
■シビックの後席は細かい箇所の質感が不足気味
シビックのインテリアですが、最近のホンダ車一連の、ワイドさを感じさせる横基調の造形です。ペダルは20mmほど内側にオフセットしています。FFの標準的なペダル位置です。
シートはお尻のちょうど尾てい骨の中心が痛いです。座面の後方に突起を感じます。これは何でしょう?
後席に乗ると、これは広いです。乗降性も悪くありません。ただ、室内灯は小さいのが天井センターに一つだけで、ちょっと寂しい。Cセグだったら、ドアサイドにパーソナルランプが欲しい。
後席の足元は広いし、前席下に足先が入っていいのですが、400万円クラスの内装であれば、前席シートレールがむき出しというのは改善を望みたい部分です。
コメント
コメントの使い方「スポーツモードに切り替えると、リアの減衰が強くなりますね。フロントはあまり変わりません。」とありますが、可変ダンパー(アダプティブ・サスペンション)はM235iにはオプション設定があるものの、この218dでは選べないはずです。
水野和敏氏はどんな車でも短時間の試乗であらゆる特性を見抜いてしまうようですが、こういった基本的な感受性に関して疑問符がついてしまうのは、どうなんでしょうか…?
3気筒ガソリンエンジンの118iと、ゴルフ、アウディA3,メルセデスAクラスの比較も興味あります。