2022年1月から販売を開始しているSUVタイプEVの日産 アリア。そのトップモデルである4WDのB9 e-4ORCE limitedに試乗してきた! このクルマ800万と高額だが納得のデキです!!
※本稿は2023年2月のものです
文/鈴木直也、写真/NISSAN、ベストカー編集部、撮影/西尾タクト
初出:『ベストカー』2023年3月26日号
■日本のEVとしては未踏の領域に踏み込む高価格モデル
アリアは新世代EVプラットフォーム「CMF-EV」の第一弾で、バッテリーの熱マネジメントを含めて、EVとしてのポテンシャルは世界最先端。ツインモーターAWD「e-4ORCE」の採用など、技術的にとっても見所が多い。
そのわりに世間で話題になっていないのは、折からの半導体不足で現実に納車の目処が立たないことが大きい。
サプライチェーンを上手く回して、すでに3万台超を受注する快進撃を見せたサクラに対して、アリアの実績はほぼ10分の1。タマさえあれば、軽く2倍以上は売れたのにと思うとちょっと残念ではある。
そんなアリアのなかで、最も供給が滞っていたのがトップモデルのB9 e-4ORCEだ。
91kWhのバッテリーとツインモーターAWDを組み合わせたこのグレードは、試乗した“リミテッド”でほぼ800万円に達する高価格車(limitedグレードの予約受付は2022年9月に終了)。
1000万円オーバーのプレミアムEVも珍しくない昨今ではあるが、日本のEVとしては未踏の領域に踏み込むチャレンジングなモデルといっていい。
■「こりゃスゲー!」と誰もが驚くレベルの加速力
走りは、こりゃもう明らかに2WDのB6とはダンチ。そもそも出力218ps/トルク30.6kgmのモーターを、e-4ORCEでは前後に2基搭載。システム出力394psになってるんだから、そりゃもう全力加速を試みればその差は歴然で、誰でも「こりゃスゲー!」と驚くレベルのダッシュが味わえる。
また、精密なトルク制御を行うツインモーターAWDによって、アンダーステア基調のB6 2WDとは明らかに異なるオンザレール感覚のハンドリングも面白い。ドライ路面でもそれがわかるんだから、雨や雪などの低μ路面ではその実力差をハッキリ実感できるはずだ。
ただし、普通に街中を流すような使い方をすると「高性能車オーラ」がぜんぜんなくなる。とにかく静かでスムーズだし、2トン超えの車重で乗り心地も重厚。パフォーマンス系のEVはみんなそうなんだけど、高性能エンジン車にはつきものだった「隠しきれない獰猛さ」みたいなものがないんだよねぇ。
まぁ、それも時代の流れ。CO2を撒き散らしてブイブイいわせる高性能車の時代は終わった、ということなのかもしれませんね。
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