■シビックe:HEVの評価は?
●水野和敏 取材メモ
・e:HEVのモータートルクの出し方はとても緻密な制御で、自然な加速感。エンジン回転の上昇と加速感がリンクしている。
・山道を走ると、フットワークは軽快でスポーティな走りが気持ちいい。シャシーチューニングの合わせ込みは上手だ。
・400万円級のクルマとしてはインテリアが少々貧弱。特に後席の質感。
全体的にはよく仕上げられたクルマだと感じた。e:HEVのモータートルクの出し方が絶妙で、また、発電のためのエンジン回転の上昇とトルクの盛り上がり、車速の上昇がリンクしていて、あたかもエンジン駆動で走っているような感覚になる。
操安は程よくスポーティで心地よい。これは「RS」ですと言ってもいいくらい。ただ、サスジオメトリーをもう少し突き詰めて、コーナリング時のネガキャンをつけるとタイヤの接地を生かし切れていい。
インテリアは価格を考えるとややチープ。後席ドアトリムがハードな樹脂むき出しなのも残念だ。
●ホンダシビックe:HEV
・全長:4550mm
・全幅:1800mm
・全高:1415mm
・ホイールベース:2735mm
・最低地上高:135mm
・最小回転半径:5.7m
・車両重量:1460kg
・エンジン:直列4気筒DOHC
・総排気量:1993cc
・最高出力:141ps/6000rpm
・最大トルク:18.6kgm/4500rpm
・モーター出力/トルク:184ps/32.1kgm
・トランスミッション:電気式無段変速機
・WLTCモード電費:24.2km/L
・Fサスペンション:ストラット
・Rサスペンション:マルチリンク
・タイヤサイズ:235/40R18
・車両価格:394万0200円
■218dグランツアラーの評価は?
●水野和敏 取材メモ
・エンジン横置きのFFなのだが、キャビンバックのプロポーションはFR的。ドライバーの着座位置もFRモデルのそれと近い。
・FFとは思えない、フリクションを感じさせない操舵感。操舵に対する車体の反応も左右の差はなく、動きのバランスもいい。
・2Lディーゼルターボは大きなパンチ力はないものの、トルクレスポンスに優れる。
2シリーズクーペはFRだが、それ以外は今回のグランクーペも含めエンジン横置きのFFプラットフォーム。にもかかわらず、前輪アクスルからAピラー付け根、ダッシュパネルまでの距離が取ってあり、FR的なキャビンバックのプロポーションを作り出している。
これの実現と関連して、サスアッパーがダッシュパネル直付けではなく、FRのように離れているのが特徴的。
ハイキャスターでトレール量も大きくとったサスジオメトリーで、転舵時のネガキャンがつき、コーナリング時のタイヤ接地がいいのがメリット。ディーゼルエンジンはトルクレスポンスに優れ小気味よく走る。
●BMW218dグランクーペM Sport
・全長:4540mm
・全幅:1800mm
・全高:1430mm
・ホイールベース:2670mm
・最低地上高:150mm
・最小回転半径:5.4m
・車両重量:1510kg
・エンジン:直列4気筒DOHCディーゼルターボ
・総排気量:1995cc
・最高出力:150ps/4000rpm
・最大トルク:35.7kgm/1750-2500rpm
・モーター出力/トルク:─
・トランスミッション:8AT
・WLTCモード燃費:17.1km/L
・Fサスペンション:ストラット
・Rサスペンション:マルチリンク
・タイヤサイズ:225/40R18
・車両価格:527万円
コメント
コメントの使い方「スポーツモードに切り替えると、リアの減衰が強くなりますね。フロントはあまり変わりません。」とありますが、可変ダンパー(アダプティブ・サスペンション)はM235iにはオプション設定があるものの、この218dでは選べないはずです。
水野和敏氏はどんな車でも短時間の試乗であらゆる特性を見抜いてしまうようですが、こういった基本的な感受性に関して疑問符がついてしまうのは、どうなんでしょうか…?
3気筒ガソリンエンジンの118iと、ゴルフ、アウディA3,メルセデスAクラスの比較も興味あります。