BMW 2シリーズグランクーペ&ホンダ シビックe:HEV超辛口比較!!

■BMW218dグランクーペの走り

コーナリングでのタイヤの接地性も高いが、路面の小さな凹凸を敏感に拾いすぎる印象がある
コーナリングでのタイヤの接地性も高いが、路面の小さな凹凸を敏感に拾いすぎる印象がある

 いつものように、ゆっくりと歩くほどの速度で大きく左右にハンドルを切ると……これはいいです!! もの凄く自然。FFではどうしても出てしまう操舵系のフリクションをまったく感じません。操舵に対する反応も左右でずれがなく、車体の合わせ込みのよさを感じます。

 ガソリン1.5L・3気筒ターボと比べると、ちょっとフロントの重さを感じますが、この重さが適度な反応遅れを出していて、この「間」がリラックスした運転にちょうどいい。計算された「間」です。

 コンフォートモードで走り出していますが、路面の繋ぎ目段差でゴツゴツした突き上げを感じます。これは主にフロントです。スプリングが硬いのではなく、ショックアブの縮みの減衰が強い。バイパスバルブで抜いていませんね。

 そのぶん“ブルブル残り”はありません。ディーゼルエンジンの重さ分、フロントを締めてきたのでしょう。ロードノイズはフロントから出ています。リアはしなやかにいなしています。

 スポーツモードに切り替えると、リアの減衰が強くなりますね。フロントはあまり変わりません。

 以前のBMWの足のセッティングとは真逆です。今の3シリーズもそうですが、FR系もフロントを締めてロール剛性を高め、いっぽうリアをしなやかに動かしてバランスをとるセッティングにしています。

 下り込みのコーナリングでわざと強めのブレーキをかけて、こじるような操舵を与えても、つんのめってフロント外輪に荷重が集中するような姿勢にはなりません。

 しっかりとリア内輪も接地しています。タイヤの接地性も高いです。サスジオメトリーがいいのです。あとでタイヤトレッド面を触ってみれば、均一に発熱していることが確認できると思います。

 ただ、ちょっと路面の小さな凹凸を敏感に拾いすぎる印象なのはネガな部分です。

 強いブレーキングでもノーズダイブが抑えられています。リアタイヤの接地が生かされるので、急制動時の姿勢は安定しています。このブレーキは素晴らしい。FFとは思えません。

 2Lディーゼルターボは、絶対的なトルクはそれほど強烈ではありませんが、1500rpmあたりからアクセルを踏み込んだ瞬間のトルクレスポンスが気持ちいい。右足の動きにエンジンが直結しているかのようです。小気味いい走りでスポーティなフィールです。小さいターボでレスポンスを高めているのです。

■ホンダシビックe:HEVの走り

コーナリング時のロール感など、前後のバランスはよいが、ブレーキングではやや前のめりになり、リアの接地が生かし切れていない
コーナリング時のロール感など、前後のバランスはよいが、ブレーキングではやや前のめりになり、リアの接地が生かし切れていない

 ではシビック。例によってゆっくりと走りながら左右に大きくハンドルを切ると……ちょっと転舵時に引っかかるようなフリクションを感じます。もっともBMWの後に乗ると、そのあたりが目立ってしまうということもありますが。

 速度を40~50km/hに高めていくと、操舵のフリクション感は目立たなくなります。一方、足の動きはソフトでゴツゴツ感はありませんが、やや“ブルブル”とした共振が残ります。これは車体剛性と、ロードノイズを低減したいために採用するソフトなブッシュです。

 ただ、アメリカのフリーウェイホップを考えると、この足のセットがいいのでしょうね。スッとしたきれいないなしです。タイヤのしなやかさもいい効果を生んでいます。

 コーナリング時のロール感など、前後のバランスがよい上手な合わせ込みです。下りのコーナーでも前のめりになることはなく、後輪の接地も生かし切れています。

 この合わせ込みはいいのですが、設計の部分、サスのジオメトリーをもうちょっと検討してほしいです。下りのコーナリングでは、タイヤの外側に接地面が変わり、操舵反力もグリップ力も減っています。

 ブレーキングではやや前のめりになって、リアの接地が生かし切れていない。ノーズダイブは大きくはしないのですが、前輪ブレーキ頼りの配分です。もっと後輪ブレーキに配分してもいいと思います。

 ターンパイクを走っていると、動力はもっぱらモーターです。モーターのトルク制御が絶妙。

 アクセル操作に対するトルクの出し方がエンジン車のような自然なフィールで、さらに発電のためにエンジン回転が上がるのですが、このエンジン回転とモータートルクの高まりがうまくリンクしていていいです。エンジニアは大変な仕事だったと思います。頑張りましたね。

 ロードノイズは後ろから出ています。ザラザラ感がリアサスからCピラー、ルーフレールを伝わって共振しています。とはいえ全体的には程よいスポーティ感もあって、乗っていて楽しいクルマです。

次ページは : ■シビックe:HEVの評価は?

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす ≫

最新号

新型プレリュード仮想カタログほか、スポーツカー好き大歓喜情報満載!ベストカー12月10日号発売中!!

新型プレリュード仮想カタログほか、スポーツカー好き大歓喜情報満載!ベストカー12月10日号発売中!!

 ベストカーWebをご覧の皆さま、ちわっす! 愛車がどれだけ部品を交換してもグズり続けて悲しみの編集…