マツダ 新型CX-80の国内投入も期待大!! マツダ新社長体制で大変革の予感

■毛籠社長新体制でマツダ経営はどうなるのか?

2030年までを3つのフェーズに分け電動化を推進。2030年時点のグローバル販売におけるEV比率は25%から40%を想定している
2030年までを3つのフェーズに分け電動化を推進。2030年時点のグローバル販売におけるEV比率は25%から40%を想定している

 中長期の事業計画については、マツダは2022年11月22日に「中期経営計画のアップデートおよび2030年の経営方針」を公開した。

 概要としては、共創・共生による「人と共に創る」をベースに、マツダ独自のブランド価値を社会の大きな変化に対応しながら進めるとしている。

 中核にあるのは、2050年カーボンニュートラルをにらんだ電動化戦略だ。

 2030年までを大きく3つのフェーズに分け、第1フェーズで既存のスモール商品群とラージ商品群を軸に基盤づくりをする。

 続く第2フェーズでは、EVシフトが顕著でありマツダの主要市場のひとつである中国で既存技術を活用したEV専用車を導入し、さらにグローバルで展開。そして第3フェーズでは、バッテリーEV専用車をグローバルで導入するという想定だ。

 そのうえで、2030年時点でのグローバル販売台数におけるEV比率を25~40%と表現する。

 目標値に幅を持たせた理由について、「国や地域による規制の動向、ウクライナ情勢、コロナ禍など、まだはっきりと先読みできない要因が少なくないため」とマツダは説明している。

 この2022年11月発表内容を、2023年6月1日付で始まった、毛籠勝弘(もろまさひろ)氏が代表取締役社長 兼 CEO(最高経営責任者)となり、率いる新経営陣も継承することになるだろう。

 新経営陣の主要メンバーは、前社長の丸本明氏の体制と大きくは変わっていないからだ。

■これまでのマツダが経験した挑戦と挫折

マツダの生き残りをかけてロータリーエンジンに挑戦。1967年に量産初のロータリーエンジン搭載車「コスモスポーツ」を送り出した
マツダの生き残りをかけてロータリーエンジンに挑戦。1967年に量産初のロータリーエンジン搭載車「コスモスポーツ」を送り出した

 毛籠社長体制における「これからのマツダ」を考えるうえで、「これまでのマツダ」について少し振り返ってみたい。

 マツダは創業以来、50年代の三輪車トラックから60年代の四輪事業へと転換という大きな転機があった。そのなかで、マツダの独創性を強調するため、ロータリーエンジンに挑戦した。

 その後、70年代のオイルショック後の経営再建、80年代の企業体質の転換と国際化への挑戦。

 90年代にかけてバブルと国内販売5チャンネル体制、90年代から2000年代にかけて経営危機と米フォードとの協調、2000年代後半にかけてモノづくり革新。

 そして2010年代から今に向けた新たなる技術とデザインを効果的に活用したブランド価値の育成へとつながっていく。

■マツダ全員野球の精神はこれからも変わらない

今後もマツダならではの魅力を持つモデルの登場に期待! 写真はロータリーエンジンを発電機とする独自のPHEV「MX-30 e-SKYACTIV R-EV」
今後もマツダならではの魅力を持つモデルの登場に期待! 写真はロータリーエンジンを発電機とする独自のPHEV「MX-30 e-SKYACTIV R-EV」

 こうしたマツダ史の中で、筆者(桃田健史)はマツダに係るさまざま人たちと、日本、アメリカ、欧州、中国、東南アジアの経営、研究開発、商品企画、実験、そして販売などの場で触れ合ってきた。

 そのなかでいつも感じていたのは、皆がマツダを「私事」として捉えているという点だ。 

 職種や社内での立場が違っても、「いまのマツダに対して、自分はこう思う」。「これからのマツダには、こうあって欲しい」という命題に対して、「あくまでも私見だが…」という前置きがある場合が多いにせよ、自分自身の言葉で語ることができるのが、マツダの強みだと思う。

 むろん、他の日系自動車メーカーでも、自社についてしっかりとした考え方を持っている人は少なくない。

 だが、マツダの場合、マツダ愛ともいえる強い意志をマツダに係る人たちから受ける機会がとても多いのだ。

 そうした想いは、マツダの経営陣になれば当然、さらに強くなり、また業務執行役としての責任が重大になる。

 それでも、毛籠新社長をはじめ、マツダの役員の方々と直近で触れ合う場面で、皆さんが何事に対してとても自然体で接しているのが印象的だ。

 いっぽうで、経営陣がチームとして、覚悟を持って経営にあたるという、時代変化に対する強い緊張感があることも同時に感じる。

 チャレンジし続けるマツダ。2030年、さらにその先に向けて、より魅力あるマツダへと進化することを期待したい。

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