■現行BMWでベストコスパ直6はM2コンペティション
【歴代最強コスパ直6 第2位:BMW M2コンペティション】
よって、現代BMWでコスパ最高の直6はM240iあたりでイイんじゃないの、と言いたいところなのだが、M240iの701万円に対してM2コンペティションは876万円(6MT)。
この微妙な価格設定が悩ましい。1000万円超えのM3/M4に比べると、M2コンペティションの価格がえらく魅力的に見えてしまうのだ。

標準モデルのN55は前世代のN54から過給システムを簡略化してシングルターボ化されたが、決して悪いエンジンじゃない。
いや、それどころかスポーツエンジンに分類してもいいくらい、トルキーで回転フィールも好ましい。
しかし、M用のS55型は、フラッグシップモデルとして徹底したチューニングが施されていて、鍛造鋼を軟窒化処理したクランクシャフトを使うなど、そのスペックはコンペティション級。
いくら実用上は大差ないとか言われても、マニア心を大いにくすぐるスペックが満載なのだ。

このあたりが、BMWの商売の上手いところ。じつに巧みにクルマ好きの物欲を刺激してくる。
結局は「この価格帯で趣味性の高いクルマを買う場合、175万円の差は超えられないハードルとは言えない」と自分を納得させることになる。
というわけで、魅力的な直6のコスパ第二位は、BMW M2コンペティションということになってしまうわけだ。
■ベンツの直6ディーゼルは中古でも狙いた
【歴代最強コスパ直6 第3位:ベンツSクラス S400d】
趣味性を優先しためBMWにワンツーをさらわれたが、機能性本位で評価した場合はメルセデスの新型直6シリーズも抜群にいい。
メルセデスの新世代直6には、ガソリンターボのM256型とディーゼルターボのOM656型が存在する。
ガソリン仕様は48Vマイルドハイブリッドシステム搭載で、電動スーパーチャージャーやフライホイール直結のスタータージェネレータによる回生/アシストなど、いかにも現代的なハイテクエンジン。

ターボラグをまったく感じさせないスムーズなトルク特性や、意外なほどシャープな高回転パワーなど、実用エンジンとしてまさに「完璧」と評価したい優れたドライバビリティを備えている。
しかし、実際に乗ってみてさらに感心するのはディーゼル仕様の方だ。「本当にディーゼル?」と耳を疑うほどの静粛性、これ以上ないほどリニアなトルク特性、ディーゼルとしてはピカイチの高回転域の伸び。
どこを取っても、いま手に入る最高のディーゼルエンジンと、自信を持って断言できる。
現状、まだ日本ではOM656型が搭載されるのはS400dのみだから、一般論としてコスパがいいとは言いかねるが、このエンジンの魅力だけでS400dの1138万円は「安い!」と感じられる。
ガソリンのM256型を搭載するS450の1170万円、E450の1070万円と比べても、だんぜんOM656型の魅力が光っている。
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