定番オプションだったのになんで!? 最近のクルマにフォグランプの設定ないワケ

定番オプションだったのになんで!? 最近のクルマにフォグランプの設定ないワケ

 かつて定番オプションのひとつだったフォグランプ。さほど使わないという人も多いハズだが、どうせなら!! と選ぶ人がかなりいた。というより装着していた方がカッコよかったのだ。でも、今や設定すらないクルマも!! ライトの輝度が上がったのか!? 一体なんでよ!?

文:小鮒康一/写真:ベストカーWeb編集部

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■ドレスアップの基本だったのに……設定なしのクルマも

新型クラウンスポーツはヘッドライトと思しき箇所にポジションとウィンカー。ヘッドライトはフォグランプにふさわしい場所に設置されている衝撃のデザイン
新型クラウンスポーツはヘッドライトと思しき箇所にポジションとウィンカー。ヘッドライトはフォグランプにふさわしい場所に設置されている衝撃のデザイン

 メインのヘッドランプとは別に、悪天候時などに活躍するフォグランプ。フォグとは霧の意味であり、その名の通り濃霧のときや大雪。大雨時などに道路の状況が確認しづらいシチュエーションで使用し、視認性を高めるものだ。

 日本語では補助灯などとも呼ばれ、通常のヘッドランプでは照らしにくい車両に近い場所を広範囲に照らすことができるように作られているため、ほとんどの場合ヘッドランプよりも低い位置に装着されている。

 近年ではヒカリモノ系のドレスアップアイテムのひとつでもある。イルミネーションリングが付属しているタイプや、他車種のフォグランプを移植するなど、人とは違ったカスタムのひとつとして採用されることも多い。

 また、LEDの普及に伴ってスイッチ操作でカラーが切り替えられるものなども存在し(ただし公道で使用する場合、フォグランプの色は“白色または淡黄色”と定められている)個性をアピールする装備としても愛されている。

 しかし、最近ではフォグランプだと思ったらアクセサリーランプだったり、そもそもフォグランプの設定がなくなっている車種も存在しているのだ。

■フォクランプはもう古い!? LEDの進化がスゴすぎて不要になちゃった

デミオからMAZDA2に改名されたタイミングでフォグランプを廃止。ヘッドライトがLEDに切り替わったためというが……
デミオからMAZDA2に改名されたタイミングでフォグランプを廃止。ヘッドライトがLEDに切り替わったためというが……

 例えば先日、大幅改良を実施したMAZDA2もそんな車種のひとつだ。元々は4代目デミオとして2014年に国内販売がスタート。

 デミオ時代はバンパーの両端にフォグランプが備わるスペースが設けられていた。

 しかし、2019年9月にグローバルネームのMAZDA2への改名を含む改良のタイミングでフロントマスクのデザインを一新。そのときにフォグランプの設定をなくしているのである。

 これについてマツダは「ヘッドライトがLEDとなったことで、性能が格段にアップしたため、フォグランプの必要性がなくなったと判断した」とコメント。

 確かに近年の車両は多くがLEDヘッドライトを採用し、光源を細かくコントロールすることで、夜間に対向車が来た際も、対向車が眩しく感じる部分の光源だけをカット。

 それ以外の部分はハイビームのまま広範囲を照らすアダプティブハイビーム(呼称はメーカーによって異なるが)などもLEDヘッドライトならではの機能と言える。

 このように緻密に照らす範囲をコントロールできるようになったLEDヘッドライト。

 これならばヘッドライトユニットひとつでフォグランプが担っていた近い部分を照らすということも可能であり、フォグランプの役割はすでに終わっているといってもいいかもしれない。

■雪国は未だ必須アイテム!! 設定すらないとバルブ交換という手も使えず……

昨年末、大雪の北海道を運転したのだがLEDライトは見えないことも多々。雪国ユーザーのためにいち早い技術革新を!!
昨年末、大雪の北海道を運転したのだがLEDライトは見えないことも多々。雪国ユーザーのためにいち早い技術革新を!!

 しかし、これに異を唱えるのが降雪地帯のユーザーだ。

 降雪地帯では走行中にヘッドライトユニットに雪が付着することは日常茶飯事であり、環境によってはその雪がそのまま凍り付いて十分な光量が得られなくなってしまうことも珍しくない。

 さらにLEDバルブは通常のバルブに比べて発熱量が低く(これはメリットでもあるのだが)、その熱で雪を解かすというのも難しいのだ。

 そのためフォグランプには通常のバルブを装着し、万が一のときに備えることが多いのだそう。

 ただフォグランプ自体がそもそも存在しないモデルの場合は、ランプユニット毎にバルブの種類を変更するというワザも使えないため、フォグランプ自体をなくしてしまうのはどうなのか!? というワケなのだ。

 もちろんメーカーとしてもそこは考慮しており、ヘッドライトウォッシャーを標準で備えるなど対策はしている。だが、極寒の地ではどこまで有効なのかは疑問符が付くところ。

 最近では社外のアイテムとしてライトユニット用の融雪ヒーターなども存在しているが、こういったアイテムの標準化が待たれるところだろう。

 このようにヘッドライトの進化によって設定されない車種も出てきたフォグランプ。

 だが、雪国のユーザーはもちろん、冒頭に紹介したドレスアップユーザーにとってもまだまだ需要の高いものなので、すべての車種からフォグランプの設定が消えるのはまだ先の話になりそうだ。

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