MX-30にまさかのロータリー搭載!? 伝統と電動化を両立させた新しい方向性とは?

MX-30にまさかのロータリー搭載!? 伝統と電動化を両立させた新しい方向性とは?

 MX-30は既にマツダから登場しているモデルだが、2023年4月に新しくPHEVを追加。なんとマツダ伝統とも言えるロータリーエンジンを搭載!! 発電専用とはいえロータリーが復活したことは嬉しいことだ!

※本稿は2023年4月のものです
文/諸星陽一、ベストカー編集部、写真/MAZDA、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2023年5月26日号

■待たせたな!! ウワサのロータリーEV見参!!

マツダのロータリーが発電専用として帰ってきた! MX-30 R-EVの横に立つのは青山裕大取締役専務執行役員
マツダのロータリーが発電専用として帰ってきた! MX-30 R-EVの横に立つのは青山裕大取締役専務執行役員

 2019年10月、第46回東京モーターショーにて発表されたMX-30。発表時にマイルドハイブリッド、EVの2つのパワーユニットを用意。いずれはロータリーエンジンをEVのレンジエクステンダーとして搭載するモデルを投入するという話が伝わってきていた。

 2023年4月14日。千葉県の幕張メッセで開催された「オートモビルカウンシル2023」において、マツダはMX-30にロータリーエンジンを搭載したモデル「MX-30 e-SKYACTIV R-EV」を展示。

 「MX-30 e-SKYACTIV R-EV」はレンジエクステンダーを搭載したEVではなく、ロータリーエンジンを発電用エンジンとして採用したプラグインハイブリッド車であった。

 レンジエクステンダーからプラグインハイブリッドに方向転換したのは、レンジエクステンダーでEVを走らせた場合、走りのポテンシャルがスポイルされ、走りを大切にするマツダのクルマとしては不十分であると判断されたからだという。

 そこでロータリーエンジンの出力を充分に確保することで、シリーズハイブリッドとして機能させ、さらには充電機構も付加することで、プラグインのシリーズハイブリッド車として成立させたのだ。

■マツダの「お家芸」ロータリーを取り入れた注目のPHEVシステム

エンジンルームにはモーターと8C型ロータリーエンジンが収まる
エンジンルームにはモーターと8C型ロータリーエンジンが収まる

 主要コンポーネンツは、クルマを前からのぞき込んだ状態で、右からロータリーエンジン、ジェネレーター、モーターという順に同軸上に配置される。

 ロータリーエンジンは830ccの1ローターで、最高出力は55kW(74ps)/4500rpm。モーターは125kW(168ps)/9000rpmというスペック。シリーズハイブリッドで、走行時にエンジンが駆動をサポートすることはないので、モーター出力の125kW(168ps)がシステム出力ということになる。

 バッテリー容量は17.8kWhで、これはMX-30 EVの35.5kWhのちょうど半分。つまりEVに対して半分のサイズのバッテリーを搭載している。

次ページは : ■新しい方向性で存続の危機を乗り越える

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