■キチンと理解して予防する姿勢が重要
今はまだEVを選ぶユーザーは少数派で、しっかりとEVの特性を理解して使用している人が大半だが、これからEVの販売台数が増えると、あまり考えずにEVを利用したり保管する人が出てくるだろう。
現時点でも、EVを電欠させて路上で立ち往生してしまうユーザーは、日本だけで年間573件(2020年度JAFロードサービス救援件数)。
これはEVユーザーがロードサービスを要請する件数のおよそ1割に相当するが、ロードサービスの救援要請の数は増えているのに対し、現状では電欠は減少傾向にある。
これはEVユーザーの間で使い方への理解が深まったというより、EVの性能が向上して航続距離が伸びていることの方が大きく影響していると見た方がいいだろう。
なぜなら、ここ数年のパブリックな充電スタンドの数は減少傾向にあり、使用環境における電欠のリスクは高まっているとも言えるからだ。
ようやく昨年あたりから充電スタンドの拡充に再び力が入れられるようになったが、夏場は節電要請をするほど電力が逼迫、それも火力発電頼りの現状で、高出力な急速充電器をバンバン増やせるほど日本はエネルギーに恵まれてはいない。
やはり時間に余裕のある時に普通充電でゆっくりと充電することが、電力の節約(急速充電はロスが多い)になり、バッテリーのダメージを防ぐことにつながるから、EVは基本的には時間にゆとりのある人たちが利用するモビリティと言えるだろう。
電解質が液体ではなく固形な全個体電池が登場すれば、バッテリーの安全性は高まり、EVの火災リスクは減少していく可能性はある。
しかし全個体電池をすべてのEVが採用できる訳ではなく、従来のリチウムイオン電池のEVも使われ続けるし、生産も続けられるのだ。
これまでとは異なるクルマの使い方をユーザーが覚えるか、自動車メーカーやインフラがそれをカバーするか。エネルギーの多様化に対応していくことは、新たな危険性も認識して対策する必要があることを知っておきたい。
【画像ギャラリー】日本初上陸!! EV火災に対応した1500度の超耐熱ブランケットが登場 (7枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方ニワトリと卵どっちが先的な議論になりそうだが、悪化した環境下でタフに扱えるのはEVかICEか?逆に、ICEを減らしてEVを増やせば本当に環境悪化は防げるのか?そこが今知りたい。
早速もうEV車が原因で火災が発生しちゃった感じ?
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自動車運搬船 オランダ沖で火災 1人死亡 愛媛の会社所有
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230727/k10014144031000.html
東日本大震災後にバッテリーが発火した国産のHVまたはEVはゼロと言われています。一方、〇スラに代表されるA国、台数だけは一人前のC国、一般には高級と評判のD国などのHVやEVでは、発火炎上が珍しくありません。この意味でも、”外車には要注意”でしょうね。
これは現実での発火事例を基にすべきでしょう。
国内ではリーフが1件も出していない優秀さゆえにBEV=炎上に結びつきにくいですが、
北米、中東、EU圏だけでもBEVの炎上は台数比でICEを「桁違いに」上回ります。
HVの炎上はEU製PHEVと一括りにすると微妙ですが、例えばホンダ&トヨタ製HVならICEの平均よりも少なく高い安全性を誇ります。
ハイブリッド車は、ガソリンとリチウムイオン電池の両方を積んでいるので、フルEVよりもさらに多くの危険性を併せて持っており、発火の危険度が高いと言える。
ハイブリッド車はフルEVよりは搭載バッテリーは小さいだろうが、スマホ程度の大きさでも火災を起こすのに十分な発火が起きて、ガソリンに引火する恐れもある。