■さりげなく速いゴルフR
ゴルフRは2L、4気筒ターボで、320ps/42.8kgmを発揮。4WDシステムはハルデックスカップリングを用いたオンデマンド方式で、100:0から50:50の範囲で走行状態に応じて素早く駆動配分する。
またゴルフRのリアデフには後輪の左右トルク配分を行うRパフォーマンスベクタリングと呼ばれるトルク分配ユニットが組み込まれており、エンジン出力やステアリング角度、横加速度(横G)、ヨーレートなどを検出して左右のトルク配分を制御してくれる。
トルクベクタリングの味付けはとてもナチュラルで、違和感がない点が好ましい。それでいながら、フロントタイヤに負担のかかりそうな速いコーナーで、あたかもクルマ自体がスイスイ曲がってくれているかのようなコーナリングを披露する。
エンジンはGRカローラが振り絞るイメージの(苦しげではないが)パワー感だったのに対して、2Lという排気量の余裕が感じられる。
最高出力発生回転数は5350~6500回転と発生回転域に幅があり、また最大トルク発生回転も2100~5350rpmと広い回転域で最大トルクを発生している。
スムーズでフラットなトルク特性なぶん、エンジンの起伏というか表情はやや乏しいが、320ps/42.8kgmのパワーとトルクはさすがに強力。
GRカローラは基本的には前後の駆動トルク配分を上手にコントロールすることで4つのタイヤの高いトラクション性能と、フロントタイヤに残された旋回グリップ力を巧みに引き出し、高い運動性能を作りだしているイメージだ。
そう考えて改めてエンジンを観察すると主に使いやすさという点で2台のエンジンの面白さが浮かび上がってくる。
GRカローラ、ゴルフRのエンジンは、駆動トルクを引き出すためにトルクバンドを広くしているので、一見すると退屈なエンジンと見えなくもないが、アグレッシブに走らせてやると、一見無個性なエンジンが俄然存在感を放ってくる。そんな突き詰めたエンジンの面白さや深さが楽しめる。
【画像ギャラリー】世界で闘う完熟のホットハッチ4台をたっぷりチェック!!(41枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方