初代は観音開きも、以降のプラドはずっと横開きハッチ。パジェロもそうであったが、なぜ一般的な上開きではなく横にこだわり続けるのか!?そこには、プラドに残る慣習とこだわり、そして納得の理由があった。
文:佐々木亘/写真:ベストカーWeb編集部
■パジェロもそうだった!! 本格クロカンに謎に多い横開きハッチ
一般的にバックドアやトランクの開閉は、上下方向に行われることが多い。上に開くバックドアは雨避けに使えたり、日よけに使えたりとアウトドアユースで非常に便利だ。
一方で重力に逆らって持ち上げなければならず、開ききったバックドアが高い場所に固定されることから、非力で背の低い人には使いづらいという欠点があった。
しかし、昨今では電動パワーバックドアなる便利装備が登場し、上開きバックドアの不便さは大きく解消されている。
最近は減っているが、横開き式バックドアもまだまだ健在だ。現行車ではプラドやジムニーが横開き式を採用し、これまでもパジェロやジープラングラー、軽自動車ではムーブなどでも採用されていた。
ヒンジドアと同じ感覚で使うことができ、車両後方の空間が狭くても開閉できるのが大きな利点。さらに重力に逆らわずにドアを開閉できるため、上開きよりも小さな力で開け閉めできる。
これまで多くのクロカン車で採用されてきた横開きのバックドア。プラドもその例にもれず、横開き式を現行型まで続けてきたわけだが、本家ランクルは既に上開きを採用している。
なぜ、プラドは横開きのままなのか、そこにはクロカンならではの慣習と、プラドだからこその理由があった。
■背面タイヤこそ本格クロカンの証!? 重さから考えるに横開きが有利
1990年に登場した初代プラドでは、バックドアは観音開き式を採用していた。1996年に登場した2代目から現行型まで、25年以上もプラドのバックドアは横開きの1枚ドアである。
なぜ、横開きの1枚ドアを採用するのか。それはプラドのような本格クロカンには、背負うものがあるからだ。
ユーザーの大きな期待はもちろん背負っているが、もうひとつ。クロカン四駆は、スペアタイヤをバックドアを設置するケースが多い。
荒れ地を走り、パンクリスクの高いクロカン車は、スペアタイヤを取り出しやすくするため、車両背面に取り付ける。
大きくて重いタイヤをバックドアに取り付けると、上下に開閉させることは難しくなるため、必然的にバックドアは横開きになるのだ。
横開きのバックドアは本格クロスカントリーの証明。プラドの中にはオフロードを駆け抜ける熱い魂が、今もなお残り続けているのだ。
コメント
コメントの使い方そんなこったろうと思いましたが、キューブを忘れていらっしゃる。
その代わりガラスハッチだからね