【キューブ、パジェロ、GT-R…】次期型はないかも!? なくすのは惜しい現行車たち

【キューブ、パジェロ、GT-R…】次期型はないかも!? なくすのは惜しい現行車たち

 新車市場では激しい生存競争のなか1代限りで消滅する車も少なくない。そんななか2代目、3代目とモデルチェンジを重ねられるのは、“人気車”の証でもあり、車にとってはひとつの勲章でもある。

 ところが、モデルチェンジを重ねていても、最近なかなか“次のモデル”の情報が伝わってこず、販売継続が不透明な車種もある。

 そこで、本稿では「なくすなんてもったいない!」と思える現行モデルに光を当て、その魅力を改めて解説したい。

文:片岡英明/写真:編集部


日産 キューブ/2008年発売

キューブ/全長×全幅×全高:3890×1695×1650mm、2019年3月販売台数:575台、価格:178万2000円(15X Vセレクション)

 大ヒットした2代目マーチのプラットフォームとパワートレインなどを採用して1998年に登場したハイトワゴンがキューブだ。

 初代は大方の予想を裏切ってクリーンヒットを飛ばしている。そして、マーチのモデルチェンジにより、2002年10月に2代目キューブにバトンを託した。

 ハイトワゴンとミニバンのクロスオーバーコンセプトを掲げて登場したが、注目したいのは非対称の後席ドアに横開きのリアゲートを組み合わせたことだ。背を高くした高効率パッケージと相まってコンパクトカーを超えた快適な空間を実現した。

 2008年にはコンセプトと独創的なキュービックフォルムを変えることなく、現在も販売を続ける3代目を送り出した。

 2代目までは国内専用モデルだったが、3代目は違う。個性的なデザインと左右非対称デザインが外国人にもウケたから、左ハンドルの海外向けモデルも同時に開発したのである。

 誕生から11年目に突入した古参モデルだから販売台数は月に300〜500台程度だ。

 が、パネル面を立てたデザインだからキャビンは快適で広いし、ラゲッジルームの使い勝手もいい。横開きのリアゲートは狭い場所で開け閉めしやすい。小物もラクに収納できる。

 キューブは潜在層も少なくないから、このまま消滅させるには惜しい逸材だ。環境性能と先進安全装備を充実させ、キュートなデザインと機能に徹したインテリアの4代目をぜひとも誕生させてほしい。

三菱 パジェロ/2006年発売

パジェロ/全長×全幅×全高:4900×1875×1870mm、2019年3月販売台数:89台、価格:428万2200円(エクシード、ディーゼル)

 日本にSUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)ブームを巻き起こした名門ブランドが三菱のパジェロだ。

 三菱の前身の新三菱重工業は、戦後間もなくの1953年にジープを生産していたアメリカのウイリス社とライセンス契約を結び、日本でジープの現地生産を開始した。が、輸出はできないので、ジープ生産のノウハウを結集してパジェロを生み出したのである。

 1982年に登場した初代のパジェロはアウトドアブームとパリ-ダカールラリーでの活躍を追い風に、60万台以上を売り上げるヒット作となった。

 1991年には2代目が登場し、初代モデルを凌ぐ大ヒットを飛ばしている。1999年に生産を打ち切ったが、その少し前に累計の輸出台数は125万台を超えた。もちろん、日本でもSUVの代名詞となっているから年間3万台を超える平均販売を記録している。

 だが、これに続く3代目はパジェロを徹底的に研究したランドクルーザープラドに母屋を取られて苦戦。

 2006年に登場した4代目も、進化が小さかったことに加え、三菱の相次ぎ不祥事が足を引っ張って失速した。今では月に50台ほどの販売にとどまっている。基本設計は古くても月に2000台以上をコンスタントに販売しているプラドと比べると影が薄い。

 そして、2019年4月24日に国内向けのパジェロは8月で生産を終了すると発表された。パジェロの国内販売は37年で終止符を打つ。

 道を選ばずに走破できる高いポテンシャルを秘め、快適性も高い。プレミアムSUV市場は今も活況を呈しているから整理されてしまうのは惜しい。

 レンジローバーやディスカバリーのように、今の時代に合わせた進化を行えば生き残る道はありそうだ。三菱はRVRやミラージュなど、多くの車名を復活させてきた。パジェロもそうなることを祈りたい。

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