いきなり使える? パンク修理材の使い方とデメリット

異物は抜いてしまうと応急修理ができなくなる

 また、「どのようなパンクで修理キットは有効に応急処置ができるのか」については、刺さった異物の大きさや種類の違いなど、さまざまな条件でパンクした状態のタイヤを8種類用意し、それぞれパンク修理キットでどこまで応急修理できるのかを検証。その結果、太さ4mmの釘や、太さ6mmのネジ、8mmのボルトでも、刺さった状態であれば、修理剤で応急修理ができたそう。

 ただ、これら異物を抜いてしまうと、補修液が漏れ出てしまい、応急修理ができなかったケースもありました。通常、パンク修理キットの取り扱い説明書には、4mm以上の傷は応急修理できないとされていますが、今回のテストでは、4mm以上の傷であっても応急修理することができました。また、大きな金属片によって、トレッド面が大きく破けた傷の場合も、充填中に補修液が漏れだしてしまい、修理不可能でした。

本検証では、異物を抜いてしまうと応急修理ができなかった(JAF「パンク応急修理キットでどこまで修理できる?(JAFユーザーテスト)」より)
本検証では、異物を抜いてしまうと応急修理ができなかった(JAF「パンク応急修理キットでどこまで修理できる?(JAFユーザーテスト)」より)

本格修理が難しくなる点はデメリット

 このように、パンク修理キットでの応急修理は、初めてパンク修理キットを使用する人であっても、応急修理できる内容となっています。従来のスペアタイヤへの交換のように力を必要とする作業がない点は、パンク修理キットのメリットといえるでしょう。

 ただ、今回のJAFの検証でもわかるように、パンク修理キットで応急処置が出来るのは、タイヤが地面と接地するトレッド面に小さな穴が空いた場合のみ。また、きちんと応急修理できていても、パンク応急修理キットでの応急処置後は、タイヤに傷が入っている状態であるため、スピードを上げ過ぎると再びパンクするリスクがあります。あくまで応急処置であることを頭に入れ、早急にガソリンスタンドや最寄りのディーラー、修理工場などへクルマを持っていくことが重要です。

 パンクしたタイヤであっても、パンク修理キットで応急修理できる程度の穴であれば、タイヤショップなどに持ち込めば内面パッチ等で修理することは可能ですが、一度パンク修理キットで応急修理したタイヤは、タイヤホイールの内側に付着した液剤を洗浄する必要があることで、手間やコストがかかってしまうことから、内面パッチ等による本格修理が難しくなります。この点は、パンク修理キットのデメリットといえます。

「パンク修理キット」は、クルマによって異なるが、荷室床下や荷室側面、助手席や2列目シートの下などに格納されている(PHOTO:Adobe Stock_U4)
「パンク修理キット」は、クルマによって異なるが、荷室床下や荷室側面、助手席や2列目シートの下などに格納されている(PHOTO:Adobe Stock_U4)

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 パンクした直後は動揺したり、不安になっていたりで、作業や判断を間違えてしまうこともありえます。路上での作業となるため、何より安全を確保しながら、落ち着いて作業するようにしてください。こうしたトラブルを防ぐには、日頃の点検も大切。クルマに乗る前にちょっとタイヤの状態を確認することを意識してみてください。

【画像ギャラリー】いざという時のために知っておきたい、パンク修理キットの使い方(8枚)画像ギャラリー

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