スカイラインに「GT赤バッジ」&「400R」復活!! 懐古趣味へ突っ走る日産よ…それでいいのか…??

スカイラインの本質は、直6や丸目4灯ではなく「ロングドライブに行きたくなるクルマ」


 冒頭でも触れたように、今回の「GT赤バッヂ」のほか、「400R」というグレード名についても似たような評価がある(「400R」という名は、R33 スカイラインGT-Rのオーテックチューンカーで使用されていた)スカイライン。SNS上では、「いまさらオマージュするなんてみっともない」とする意見や、「結局は昔の世代のスカイラインへ戻っているだけ」、「取って付けた感があってカッコ悪い」などという意見がみられた(あまりに酷いコメントは無視した)。

 スカイラインの黄金期といえば、ハコスカ・ケンメリ時代、もしくはR32~R34時代といわれ、それ以降のモデル、特に2002年登場のV35スカイラインは、否定されることが多い。だがこのV35はビジネス的には大成功したモデルだ。車両パッケージングやエンジン形式、シャシー構成まで大改革したことで、当時の北米市場では「BMWイーター(※BMWの顧客を喰うという意味)」といわれるほど大成功しており、世界で認められたモデルだ。

 筆者は、スカイラインの本質は「ロングドライブに行きたくなるクルマ」であることにあると思っている。安心して気持ちいいドライブが誰でも楽しめるようにするため、最新のアイテムや制御アイテムを搭載して、時代の水準に合わせた性能を確保していく。今後、エンジンがモーターになっても、テールランプが角型になろうとも、「ロングドライブに行きたくなるクルマ」というスカイラインの本質が変わらなければ、それがその時代の「スカイライン」なのだと思う。

 実際に現行のV37型は、高いシャシー性能によってダイナミクスの仕上がりが素晴らしい。もちろん課題がないわけではないが十分に素晴らしいモデルであり、乗ったことのない人は、ぜひ何かしらの機会を得て、乗ってみてほしい。乗ればきっと「悪くない」と感じてもらえるはずだ。

スカイライン400Rを作ったエンジニアの中には、R33時代の400Rをほとんど知らずに作っていたものもいるという。あくまで、「スカイラインの走りを磨き、誰でも安心して運転ができるスポーツセダン」を作り上げたのだ
スカイライン400Rを作ったエンジニアの中には、R33時代の400Rをほとんど知らずに作っていたものもいるという。あくまで、「スカイラインの走りを磨き、誰でも安心して運転ができるスポーツセダン」を作り上げたのだ

次の世代にスカイラインを引き継いでいくことのほうが大切では??

 そして、その現行スカイラインに懐かしいGT赤バッヂや400Rという名がつけられることについても、何がそんなに悪いことなのかと思う。子孫が先祖の誇りを身に着けている姿は、自分の血筋に誇りをもっていることの現れであり、スカイラインというモデルの歴史を感じさせるものだ。

 ビジネス的にやり方が気に入らないとするのもわからなくないが、実際にビジネスなのだから、他に迷惑をかけることがないのであれば、売れれば正解だ。今回のことが「スカイライン」というブランドに傷をつけるようなことになるとも筆者は思わない。それよりも、こうしてスカイラインに手を加え続けて、次の世代にスカイラインを引き継いでいくことのほうが大事であるはず、と筆者は考えるが、どうだろうか。

リヤディフューザーにはNISMOラインが施されており、またリアタイヤの拡幅もよいアクセント。ハイパフォーマンスさを隠しきれていない様子が、またそそられる
リヤディフューザーにはNISMOラインが施されており、またリアタイヤの拡幅もよいアクセント。ハイパフォーマンスさを隠しきれていない様子が、またそそられる
【画像ギャラリー】即完売は必至!! V37史上、最上級のスポーツセダンに仕上がった、日産「スカイラインNISIMO」(15枚)画像ギャラリー

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす ≫

最新号

新型プレリュード仮想カタログほか、スポーツカー好き大歓喜情報満載!ベストカー12月10日号発売中!!

新型プレリュード仮想カタログほか、スポーツカー好き大歓喜情報満載!ベストカー12月10日号発売中!!

 ベストカーWebをご覧の皆さま、ちわっす! 愛車がどれだけ部品を交換してもグズり続けて悲しみの編集…