交通に関するさまざまなルールを司る「道路交通法」。2023年7月の改正での電動キックボードの扱いで、改めて考えた人も多いであろう「道路交通法」の疑問点や注意点をおさらいしてみよう。
※本稿は2023年8月のものです
文/ベストカー編集部、写真/ベストカー編集部、AdobeStock ほか
初出:『ベストカー』2023年9月10日号
■自転車も電動キックボードもなんでヘルメットは「着用努力」なの?
2023年7月1日の改正道交法で「特定小型原動機付自転車」としての扱いが開始された電動キックボード。車体サイズなどに細かい規定はあるものの、最高速が20km/h以下に抑えられるなどの基準を満たせば、16歳以上であれば運転免許なしで運転可能だ。
しかもヘルメットは「努力義務」。自転車もそうだが転倒事故にあえば頭部を強打する危険性が極めて高い。特に電動キックボードは車輪が小さいこともあり、スパッと転倒をしやすく、頭部を打つリスクは高い。
■ノーヘルは死亡リスクや後遺症を残す大ケガのリスクが増大
特定小型原動機付自転車に区分される電動キックボードは現実的にはレンタルがほとんどだ。気軽にレンタルで短時間、短距離を走るにはヘルメット着用義務は大きな障壁となる。
車体とヘルメットを一体的にレンタルすればいいが、誰が着用したかわからぬヘルメットをかぶるのは抵抗がある。その都度消毒するのも現実的ではない。
内側にかぶる使い捨ての紙製帽子もあるが、果たしてそれをレンタルステーションで管理できるか? そもそもヘルメットをかぶってまで電動キックボードを使おうとするニーズがあるのか……?
こうした声を反映して実証実験期間が設けられ、その結果が今回の道交法改正で規定された。でも、危険なのでヘルメットかぶりましょう!!
■横断歩道を渡ろうとしている自転車は「歩行者」なの? それとも「軽車両」なの?
まず大前提として「自転車は軽車両」だということを忘れてはならない。車道の左側を走ることが原則だ。ただし、以下の場合は歩道を走行することが認められている。
●歩道に「普通自転車歩道通行可」の標識があるとき。
●13歳未満の子どもや、70歳以上の高齢者や身体の不自由な人が普通自転車を運転している時。
●道路工事や連続した駐車車両などのために車道の左側部分を通行することが困難な場合や、著しく自動車の通行が多く、かつ車道の幅が狭いなどのために追い越ししようとする自動車などとの接触事故の危険がある場合など、普通自転車の通行の安全を確保するためにやむを得ないと認められるとき。
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