ガチハードな「部内ライセンス制度」って!? 早稲田大学自動車部はストイックさが武器の超強豪だ!!

■伝統のライセンス制度とは!?

取材当日はダートラから帰ってきた部車がウマにかけられ、部員全員で整備にあたっていた
取材当日はダートラから帰ってきた部車がウマにかけられ、部員全員で整備にあたっていた

 競技重視の活動を支えるのが部車の取り扱いに関する独自のライセンス制度。

 助手席でナビをするための「サイド」がスタートラインで、部の敷地内に限りクルマを運転できる「部内」、自主的に運行できる「乗用系自主運」、貨物車を運転できる「貨物系自主運」、さらに一人前と認められる「ドラ章」まで5段階あり、厳格に運用されています。

「ダート走行では急にハンドルをとられて挙動が乱れることや、うまくギアが入らず、無理やりシフト操作して壊してしまうこともあります。そういうことを起こさないためにも、資格制度は必要と考えています。

 また、サイドの資格は、部員に求めていることが法規走行と一致しているので、無意識に基礎が刷り込まれます。誰が運転しても安全に運転できるのが早稲田の強みだと思います」(同)

部が発行する部誌「前照燈」を見せてくれた。50年以上前の冊子も存在し、歴史の長さを再確認した
部が発行する部誌「前照燈」を見せてくれた。50年以上前の冊子も存在し、歴史の長さを再確認した

 ちなみに自主運のライセンスをとるには3人の先輩部員の推薦が必要。ハードルは低くないです。さらに3~4年生全員と面接し、正部員の認定を受けると、初めて選手候補として選考に参加することができます。長い道のりですが、やりがいは大きい。

「そこまで到達するのに、入部から1年半から2年ぐらいかかります。宮崎は1年の最後に入部したのですが、どうしても選手になりたいと半年でクリアしました。今70歳くらいの先輩方もこの制度を知っているので、50~60年は継続していると思います」(同)

 この制度は一般的なドライバーにとって、過剰に感じるかもしれません。しかし、早大自動車部は、安全運転の重要性を後輩たちに教えることを重視。厳しいライセンス制度を設け、運用してきたのです。

 驚いたのは、早大生が自動車部の部員から運転に関するコーチングを受けると、単位を取得できる授業が存在すること。早大自動車部の長く地道な活動は、大学本体に認められています。

■ライバル・慶應と切磋琢磨し上を目指す!!

伝統を受け継ぎながら、挑戦し続けます!
伝統を受け継ぎながら、挑戦し続けます!

 このような早大自動車部の努力は確実に実を結んでおり、2022年度の全日本年間総合杯(学連3競技の合計)は男子団体と女子団体が優勝。全関東の総合杯は男子団体が準優勝、女子団体が優勝と、3冠を獲得しています。

 最大のライバルはやはり慶應義塾大学。両学がワンツーを占める試合も多く、自動車部の試合においても早慶が、激しく火花を散らしています。

「慶應に対するライバル心はめちゃくちゃあります。その時代にもよりますが、今はよきライバル関係を築けています。長い付き合いですし、お互い負けたくないので頑張ろうね、と考えています」(同)

慶應義塾大学とほぼ同時期に創部された早稲田大学自動車部。スローガンは「全日本四連覇」だ
慶應義塾大学とほぼ同時期に創部された早稲田大学自動車部。スローガンは「全日本四連覇」だ

 早大自動車部の今年の目標は全日本年間総合杯の4連覇(男子団体)。本誌が発売される頃にはダートトライアルの結果も出ており、8月後半のジムカーナ、11月のフィギュアを経て、総合杯の順位が決まります。

 結果は学連や各自動車部のホームページで見ることができるので、ガチ勝負を繰り広げる早大自動車部に、熱いエールをお願いします。

■自動車部員の愛車聞き込み調査!!

・岩澤秀造さん……ホンダシビックタイプR(EP3型)

岩澤秀造さん(スポーツ科学部4年)
岩澤秀造さん(スポーツ科学部4年)

 シビックが好きで、特にEK9が好きだったのですが、価格が高いのでEP3を購入しました。1.6Lの小さなクルマなのに、こんなに速いなんて、面白いと思いました。EP3の魅力はK20Aの強靭なエンジンと安い価格。某走り屋系アニメを見たのがきっかけでクルマに興味を持ちました。

・大矢根洋さん……ホンダインテグラタイプR(DC2型)

大矢根 洋さん(文学部3年)
大矢根 洋さん(文学部3年)

 自動車部のOBで、全日本にインテやシビックで出ている人が多いのですが、先輩たちと戦いたくて、同じインテRに乗っています。自動車部に入ったきっかけは、早稲田通りを歩いていて、たまたまガレージが開いていて「見ていく?」ってことになりまして……。めっちゃ楽しいです。

・平石大智さん……スズキスイフトスポーツ(ZC32S型)

平石大智さん(基幹理工学部3年)
平石大智さん(基幹理工学部3年)

 スイスポを選んだのは、競技ができるFF車で、比較的新しいクルマだからです。日常使いとジムカーナに使っています。クルマが好きになったきっかけは小学生くらいの時に『頭文字D』を見たからです。整備がやりたくて自動車部に入ったのですが、どんどんできるようになり、楽しいです。

・吉田太郎さん……スバルインプレッサ(GRB型)

吉田太郎さん(人間科学部2年)
吉田太郎さん(人間科学部2年)

 ランエボが欲しかったのですが、早くクルマを買いたくなり、予算的にOKで、ある程度の速さもあるGRBを購入。子どもの頃から父親と雪山に行っていたので、4WDしかないなと思っていました。自動車部に入ったのは乗り物が好きだからで、小さい頃から建設現場の乗り物に興味がありました。

【画像ギャラリー】都の西北早稲田の森に響く爆音高らかに!! 早稲田大学自動車部見参!!(18枚)画像ギャラリー

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