■中国市場進出にもともと積極的だった三菱だが……
三菱自動車は中国に強く、早い時期からエンジン工場などを作っており、黎明期の中国製自動車に広く搭載されていた。その後、三菱自動車は本格的な中国進出にあたって広州汽車集団と東南汽車と提携。
当初はトヨタや日産、ホンダのようにふたつの中国国営企業と組んでいた。広汽三菱には30%、東南汽車には25%の資本参加をしていた。
その後、リーマンショックで縮小均衡策を取り、持ち直した後も経営トップは自動車にとって大切な”華やかさ”を持たせることもなく、世界規模で業績悪化。ランサーなどを作っていた東南汽車はすでに清算ずみ。今回ニュースになっている広汽三菱も、魅力を持たせようとしないままブランドイメージが低下する一方だった。
現在の加藤隆雄社長になって動き出したものの、時すでに遅し。 電気自動車は間に合わず。アウトランダーがまったく売れなかった時点で二束三文の売却価格を覚悟して撤退するしかない状況になった次第。
このまんま赤字を垂れ流すより、損切りしたほうがダメージ少ないと思う。漏れ伝わる情報によれば今年4月あたりから社内では中国撤退についての作戦を練り始めていたようだ。幸い東南アジアが好調。赤字垂れ流しの中国を切っても問題なし。
ということでアウトランダーの売れゆきが戻らないとハッキリわかった2023年7月あたりから、いつ撤退を発表してもおかしくない状況にあった。日経新聞の記事、どこか不明ながら近々発表するという情報を得たのだろう。私は今回のニュースに接しても何ら驚かず。
もっと言えば、日経のニュースを見て騒いでいるようだと業界についての情報をまったく持っていないということになります。
■次はマツダが中国撤退か?
次に撤退を迫られるとすればマツダである。CX-50を投入したものの、売れゆきは厳しい。間もなくCX-50にRAV4のハイブリッドをそのまんま搭載したモデルを発表するが、これが売れないと相当厳しい。
在庫を抱えるようになると、マツダの提携先である長安汽車が黙っていない。三菱自動車より出資比率が多いため(47.5%)、赤字金額だって三菱自動車より厳しくなる。
三菱自動車とマツダに共通するのは、当時の社長が中国市場をまったく知らなかったこと。CX-50の売れゆき次第ではマツダも2024年に撤退話が出てくるだろう。
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