八丈島のライフラインを守れ!! 「三方よし」で未来の整備士が紡ぐ社会貢献……日産直系整備学校が挑む

■想像以上のサビに絶句するプロの整備士

整備工場に持ち込まれた車両のフロア。ボディはツルピカなのに新車から10年でここまでサビる。だがこれでも相当にきれいなほうだ
整備工場に持ち込まれた車両のフロア。ボディはツルピカなのに新車から10年でここまでサビる。だがこれでも相当にきれいなほうだ

 2024年2月のイベント本番に向けて、2023年9月30日に日産自動車大学校の整備士資格を保有する教員によるプレイベントを実施した。場所は八丈町役場。教員はディーラーでの職務経験を積んだプロだ。

 今回は学生たちが本番で実施する整備内容と同等のプログラムを実施した。基本的にはバッテリー、オイル、ブレーキ、タイヤ、灯火類などのチェックが主な内容になる。前述したとおり部品交換などは八丈島の整備工場に作業依頼をするので、学生が実施するのはあくまでも無料点検の範囲になる。

 プレイベントでは10台ほどの車両を点検したが、車種はもちろんどんなメーカーでもOK。なかにはスバルサンバーも来場したり、日産でメカニックをしてきた教員にとってもやりがいを感じるひと時になったようだ。

RRのスバルサンバーのエンジンルーム点検。日産系列の整備士が整備することは新鮮な光景だが、本番ではこのようんケースにも学生たちが対応することになる
RRのスバルサンバーのエンジンルーム点検。日産系列の整備士が整備することは新鮮な光景だが、本番ではこのようんケースにも学生たちが対応することになる

 なかには多くの教員が想像以上のサビに絶句するシーンがあった。それが島内の整備工場の整備士が案内してくれた車両。車齢10年ほどでも外観ではピカピカだったが、アンダーフロアはここまでサビが進行している。

「10年でこれは本当に綺麗なほうなんです。防錆をしてもキリがないんです。だから修理するか廃車にするかの線引きはシビアなんです」と島の整備士は語る。

■エンジンルームは防錆剤仕上げでタイヤはスペアタイヤ!?

妙にツヤのあるエンジンルーム。これはシャシーブラックなどで防錆をしたところだという。乗れるだけ乗るというカルチャーから生まれたライフハックなのだ
妙にツヤのあるエンジンルーム。これはシャシーブラックなどで防錆をしたところだという。乗れるだけ乗るというカルチャーから生まれたライフハックなのだ

 今回のプレイベントではサビと同じくらい目立ったのがタイヤのトラブル。装着から10年近く経過しているタイヤがあったり、道路の線形の影響でアウト側の片減りをしている車両が非常に目立ったのだ。

 これにはワケがあり、八丈島を一周してもその距離は45kmほど。つまり年数が経過していてもスリップサインが出るほどの走行距離には達することは稀で、しかも曲率の高いカーブに高低差も加わる地形はタイヤには厳しい環境だ。

 スリップサインは出ていなくても極端な片減りをしていたり、経年劣化でサイドウォールのひび割れという症状が相次いだ。もちろんプレイベントでの点検後はその点もオーナーに説明して整備工場へ引き継ぐということもできた。

 また島民のなかにはある程度は自分でサビ対策をするためにエンジンルームを防錆剤でコーティングしたり、移住者のなかにはツテで譲り受けたクルマに乗っていてタイヤの製造年月日も銘柄もバラバラだったなんてケースもある。

 プレイベントだけでもかなりの数の不具合車両が見つかって、オーナーに報告することができたのが大きな前進だと思う。2024年2月18日(日)に八丈町役場にて開催されるは本番は学生の手によって運営される。本番で八丈島の皆さんの笑顔が見られるのが楽しみだ!!

【画像ギャラリー】島ならではの塩害との闘いがスゴイ……学生の力で八丈島の交通安全を守る(5枚)画像ギャラリー

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