■ビッグホーンにまで!! ほぼ全ラインアップに追加するほどの熱
ハンドリングバイロータスは2代目ジェミニのあとも続いた。
ロータスチューンサスペンション、モモのステアリング、レカロのシート、ブリティッシュグリーンのボディカラーを基本アイテムに初代ピアッツァ、スペシャルエディションバイロータスの名前で初代ビッグホーン。
2代目ジェミニ、2代目ピアッツァ(こちらはハンドリングバイロータスのみ)、2代目ビッグホーンに設定された。
なお、前述した「いすゞからロータスへのエンジンを含む部品供給」というのは、ロータスも当時GM傘下だったという社内事情などもありFFとなった1990年登場の2代目エランのパワートレーンのことだ。
そのため2代目エランは、エンジンは3代目ジェミニの1.6リッターDOHCと同ターボ、トランスミッションはいすゞの5速MTを使っていた。
そして、いすゞとロータスの関係で忘れられないのは、1991年にいすゞのF1エンジン(3.5リッターV12)をチームロータスのF1に搭載し、英国シルバーストーンサーキットでテストを行ったことだ。
このテストはハンドリングバイロータスでのいすゞとロータスカーズとの関係や、F1チームロータスの終盤は田宮模型や小松製作所といった日本企業がスポンサーだったこともあり実現。
いすゞのF1用V12エンジンはあくまでテスト用(実走テストが行われる予定もなかった)で、実践投入は想定されていなかったが、結果はなかなかものだったという。
■ロータス版とは違う味付けがイイ!! イルムシャーもいたゾ
また、いすゞ車をロータス同様に味付けしたチューナーとして忘れてはいけないのが独イルムシャーだ。
イルムシャーはオペルのコンプリートカーやアフターパーツ開発を手掛けるチューナーで、いすゞとイルムシャーの関係もロータスと同じく、当時オペルもGM傘下にあり、GMを介して実現したものだった。
いすゞ車のイルムシャーチューン1号車は1985年登場の初代アスカであった。
その後イルムシャーは初代ピアッツァ、2代目と3代目のジェミニ、初代と2代目のビッグホーンと、主要ないすゞ車に設定された。
イルムシャーもモモのステアリングやレカロのシートも基本アイテムに、サスペンションはドイツのチューナーということもあり、ロータスを基準にするとより高いスピードレンジを想定したドイツ車的な硬めのものだった。
いすゞのロータスやイルムシャーチューンはオリジナリティという面では、疑問のある方もいるかもしれない。
しかし、考えてみるといすゞとロータスやイルムシャーとの関係は、日本メーカーと海外メーカーとの協業の先駆けの1つともいえる。
その意味での功績はそれなりにあったといえるのではないだろうか。
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