■走りはより力強くなる!!
具体的には125ccバイクの最高出力を4kW以下(5.4ps以下)に制御し、50cc相当の動力性能にデチューンする。これを仮に「新原付一種」と呼びたい。
現在販売されている新車の原付二種(51~125cc)はすでに排ガス規制に対応済みで、世界的にメジャーな排気量帯でもある。これをベースに新原付を作れば、規制を突破できるうえにコストも抑えられるというわけだ。
125ccベースとなるメリットは、やはり走りのよさだろう。パワーが抑えられ、現行50ccから15~20kg重くなるものの、排気量がアップしたことで従来の原付以上のトルクを得られるハズだ。
また125ccクラスは14インチ以上の大径ホイールを履き、立派な車格のモデルが多い。10インチが主流で小柄な原付に対し、新原付は直進安定性や走破性、さらには所有感までアップするだろう。
価格に関しては、現行50ccと同じか低くなる可能性も。アジアなどで販売されている安価なモデルが新原付として導入される見込みだからだ。
■気になる免許制度はどう変わる?
なお、免許制度については従来と同様になる模様。原付免許は、普通四輪免許に付帯してきたが、今後もそのまま「新原付」に乗車可能だ。
管轄の警察庁は、この案に難色を示していたが、ついに9月、実現に向けて動き出した。有識者会議を設置し、年内にも意見を取りまとめる。
さらに情報筋によると、すでに新原付を使っての実証実験も実施済みで、実現へ前向きに動き出しているという。
主に議論されているのは安全性。従来の50ccより大きく重くなるため、転倒して事故が増える危険性が懸念されているという。しかし、これが担保できれば、複数の法改正は必要なものの、ハードルはクリアできたと言えるだろう。
■新原付一種の気になるあれこれ
Q1.新・原付一種って馬力以外にどんな制限が設けられるの?
A.原付も現在の原付一種と同じルールが適用される見込み。従来の原付ならではの“独特”な制限がそのまま引き継がれるハズだ。
原付二種の最高速度が上限60km/hなのに対し、原一は上限30km/hで2人乗り不可。高速道路にも乗れない。なお原付の最高速が定められたのは1955年。当時に比べて原付の性能は飛躍的に向上しているだけに、今回を機会に再考してほしいものだ。
Q2.新・原付一種で二段階右折ってなくなるの?
A.段階右折も原付一種ならではの独自ルール。一部の交差点を除き、原付一種は右折レーンを使って直接右折できず、交差点を直進して渡った先で方向を変える必要がある。実にややこしいルールだ。
Q1の回答と同じく原付一種のルールを引き継ぐため、新原付になっても二段階右折は変わらない模様。原付二種には適用されず、制定されたのも40年近く前なので、これも見直してよいのでは?
■125ccってどんなバイクがあるの?
いずれ50ccバイクが125ccに置き換えられるなら、今どんなバイクがあるのか把握したいところ。国産メーカーのスクーターを中心にチェックしよう。
・ホンダ スーパーカブC125
往年のカブのデザインが復活!
・全長1860×全幅730×全高1065mm
・WMTCモード燃費:67.4km/L
・最高出力&トルク:8.0ps/0.9kgm
・価格:44万円
・ホンダ PCX
e:HEV搭載モデルもある新時代のスクーター。
・全長1935×全幅740×全高1105mm
・WMTCモード燃費:48.8km/L
・最高出力&トルク:12.5ps/1.2kgm
・価格:36万3000円
・ヤマハ NMAX
ヤマハMAXシリーズの末っ子で直進安定性の高さがウリ。
・全長1935×全幅740×全高1160mm
・WMTCモード燃費:46.9km/L
・最高出力&トルク:12.5ps/1.1kgm
・価格:37万9500円
・ヤマハ トリシティ125
前2輪という前代未聞のバイク。安定感は驚異的!
・全長1995×全幅750×全高1215mm
・WMTCモード燃費:44.9km/L
・最高出力&トルク:12ps/1.1kgm
・価格49万5000円
・スズキ アヴェニス125
ライダーに不安を感じさせない強靭な足回り。
・全長1895×全幅710×全高1175mm
・WMTCモード燃費:54.3km/L
・最高出力&トルク:8.7ps/1.0kgm
・価格:28万4900円
・スズキ アドレス125
老若男女問わず似合う中性的デザイン。
・全長1825×全幅690×全高1160mm
・WMTCモード燃費:53.8km/L
・最高出力&トルク:8.7ps/1.0kgm
・価格:27万3900円
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