■レンタカー屋バイトで培った技術で優勝の過去!?
そんなまとまりのよさが特徴のSUAC、競技のほうはというと、全日本学生自動車連盟主催の4競技(ジムカーナ、ダートラ、フィギュア、5H軽耐久)に出場中。
そのなかで特に力を入れているのが、狭小路で乗用車やトラックの運転技術を競うフィギュアです。
「フィギュアはまったく同じクルマ(レンタカー)を使用するので、資金力の差が出にくいんです。本当にお金はないので。
6年前にレンタカーのバイトで腕を磨いたOBが全関東の個人戦で優勝したこともあり、ぼくもレンタカーでバイトしています。もう狙うしかないですね」(同)。
また、マンパワーで資金力の差を埋められる5H軽耐久にも2台体制で参戦中。
「一部を除き各校1台エントリーなのですが、うちは大学代表のAチームのほか、下級生中心のBチームをオープン枠で出場させています。クルマはどちらもヴィヴィオ。人間力でピットの作業時間を短縮できるので、お金がないなりに頑張っています」(同)。
■コロナ禍での苦悩を吹き飛ばす!!
限られた活動費の中で、メリハリを付けた活動を行っているSUAC。学連のジムカーナやダートラにも全日本を目指して出場していて、手抜きをしているわけではありません。
とはいえ、お金以外の問題を抱えているのも事実。それがコロナ禍の3年間で途絶えてしまった、先輩から後輩へ伝わるべき部の運営法、そして技術の伝承です。
「試合車のEG6シビックはコロナが収まった後、ぼくらの2つ上と1つ上の先輩がよくわからないエンジンに手を入れて復活させて、今ぼくたちが維持しています。主力車の状態さえよくわからないという……」(田村主務)。
「約1年間、ガレージに来られなかった時期があるので、整備も運営もゼロスタートって感じです。
コロナがなかったら、ここはこういう直し方をするんだよとか、インテグラの何という部品を流用しているとか、ちゃんと受け継いでいたと思うんですよね。
今、OBと密に連絡をとっているので、ぼくの代で基盤をちゃんと作って、次の代が楽になるようにしたいと思っています」(福田主将)。
ガレージが1年間近く使えなかったという理不尽な事実。本当にコロナは憎たらしいが、持ち前の明るさとノリのよさで何とか乗り切ってほしいと切に願っています。
それと、ポジティブな話題もあります。それが近年の部員の増加。2023年から生田キャンパス内にクルマを置いての勧誘がOKになったこともあり、発信力が大幅にパワーアップ。
目立つクルマを入れ替えながら展示し、都内の神田キャンパスも含めて勧誘に力を入れたところ、なんと7人が入部。OBから軽くプレッシャーをかけられるほど、前向きな状況なのです。
「コロナが終わり、本当にリスタートですね。ジムカーナとダートラは来年、全日本出場を目指しています。まずは今年の11月に行われるフィギュアの全国大会では絶対入賞したいと思っています」(同)。
取材当日は、妙高高原で行う4泊5日の合宿準備で大忙し。現地ではフィギュアとジムカーナの練習を徹底して行うそうです。昼も夜もクルマ漬けってまさに青春。汗と油まみれの専大自動車部に心からエールを送ります!
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