■せっかくの4気筒を活かせないまま、トンビに油揚げを……。スバル ヴィヴィオ ビストロ(1995~1998年)
●往年の欧州車をイメージしたマスクの持ち主
スバルのヴィヴィオ ビストロは1995年に登場した「レトロ顔の軽自動車」。
クラシック顔が好評でしたが、せっかくの4気筒エンジンなのに(軽自動車は3気筒の場合が多いのです)、エンジン音がうるさいのはちょっとざんねんでした。
しかしそれ以上に、スバルがこのクルマに対し、さほど手をかけなかったため、後にダイハツにコンセプトを上手にマネされ、ビジネス的な“おいしいところ”をさらわれてしまったのが、実はいちばんざんねんかもしれません。
・発売年月:1995年11月
・エンジン種類:直4 SOHC
・総排気量:658cc
・最高出力/最大トルク:48ps/5.6kgm
・全長/全幅/全高:3295×1395×1375mm
・車両重量:690kg
・諸元記載グレード:ビストロ
●ざんねん度:★★★★☆
■商業的には失敗作だがフォレスターやXVはコレがあったからこそ? スバル インプレッサ グラベルEX(1995~1996年)
●クロスカントリー車風の意欲的モデル
こちらは、初代スバル インプレッサスポーツワゴンWRXの最低地上高を上げ、フロントにガードバー、リアにはスペアタイヤを装着したモデルです。
クロカンっぽい雰囲気でありながらインプレッサWRXと同じ強力なターボエンジンを搭載する……という意欲作でしたが、そのコンセプトは当時は受け入れられず、生産台数わずか1313台で終了してしまいました。
でも今にして思えば、後のスバルXVやフォレスターの登場に一役買ったモデルだったのかもしれません。
・発売年月:1995年10月
・エンジン種類:水平対向4気筒 DOHC+ターボ
・総排気量:1994cc
・最高出力/最大トルク:220ps/28.5kgm
・全長/全幅/全高:4595×1690×1470mm
・車両重量:1310kg
・諸元記載グレード・グラベルEX(MT)
●ざんねん度:★★★★☆
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【画像ギャラリー】ベース車となったモデルとも比較 夢破れたスバル車たちを見る(10枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方レガシィのブレッツェンが出た頃は富士フイルムのデジタルカメラやサムスンの液晶ディスプレイなど「ポルシェデザイン」を関する製品が割と普通に売ってましたから、自動車メーカーのポルシェがスバルの特別仕様車をデザインしたと思い込むクルマ好きがいたとしたら余程の世間知らずで、少なくとも極少数派でしょうね。
初代インプレッサのカサブランカから取り上げる謎な構成の記事ですが、そもそも3つ目のヴィヴィオビストロが先に割とヒットし、他社もクラシック風に手を出す中で生まれたカサブランカは残念ではあっても謎ではありません。そして、サンバーやプレオでもクラシック風を続けたスバル車に次のヒットが生まれなかっただけで、クラシック風ブームの先駆けとなり自身は売れていたビストロを残念と評する理由も見当たりません。