現在の一般車は3ナンバーが優勢にある。しかし、ちょっと小さい5ナンバー車にだってメリットはたくさんある! 今回は、5ナンバーと3ナンバーの違いや5ナンバー車のいいところを見ていこう!
文/長谷川 敦、写真/スズキ、トヨタ、日産、ホンダ、マツダ、写真AC
■5ナンバー車の定義とは?
公道を走る車両に装着が義務づけられているナンバープレート。その上段、登録場所を示す地名の右に3桁の数字が記されている。この数字は車両の種類(自家用か業務用、公務用など)を表しているのだが、いわゆる普通車には3桁数字の最初が5のものと3のものがある。
これが車体の区分を意味していて、簡単にいえばナンバーの頭が5から始まるクルマは車体が小さく、3から始まるクルマは大きい。もちろん、車体サイズ以外にエンジンの大きさ(排気量)でもこの区分は適用される。
ちなみに5ナンバー車の規定は以下のとおり。
・排気量:2000cc以下
・全長:4700mm以下
・全幅:1700mm以下
・全高:2000mm以下
なお、たとえ車体サイズが5ナンバー規定以内であっても、エンジンが2000cc以上であればそのクルマ3ナンバー車になり、エンジンが小さくても車体サイズが規定より大きいとやはり3ナンバーになる。
■3ナンバー車の増加はどうして起こった?
かつて公道を走っていたクルマは5ナンバーが圧倒的に多く、3ナンバー車の数はそこまでではなかった。これは、大型の3ナンバー車は販売価格が5ナンバー車に比べて高額なこと、そして自動車税額が5ナンバー車よりずっと高かったことが要因だった。
つまり、3ナンバー車を所有することは一種の富の象徴でもあり、憧れの的にもなっていた。
だが、1989年に自動車税法が改正され、それまでは5ナンバー車の倍以上だった3ナンバー車の自動車税が大きく下がり、5ナンバー車との差額が少なくなった。
これは税額の決定方法がボディサイズから排気量別に変更されたため。つまり、3ナンバーサイズのクルマであっても、エンジンが小さければ収める自動車税は少なくなる。税制の変更によって3ナンバー車購入に対する障壁は下がり、これが一気に3ナンバー車の台頭を進めることになった。
エンジン、車体ともにサイズに余裕があって車種のバリエーションも豊富、大きさゆえに衝突安全性も確保しやすい3ナンバー車がより手軽に買えるとなれば、人気にならない理由はない。
かくして現在では、5ナンバー車の象徴でもあったトヨタのカローラも3ナンバー化されるなど、3ナンバーが優位に立っている。
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