13年ぶり日本凱旋でさらに逞しく! トヨタ 8代目ハイラックス試乗【テリー伊藤のお笑い自動車研究所】

■このクルマをどう使いこなすか。それが問題だ!

駆動方式はパートタイム4WD。2.4Lディーゼルターボは40.8kgmものトルクがあって、力強い。こういうクルマにとってはゴツゴツした乗り心地も味わいのひとつだ!
駆動方式はパートタイム4WD。2.4Lディーゼルターボは40.8kgmものトルクがあって、力強い。こういうクルマにとってはゴツゴツした乗り心地も味わいのひとつだ!

 のっけから感激してばかりの私だが、少し冷静になってハイラックスを見ると「使い方がわからないな」とも思う。

 日本でピックアップが売れないのは、ピックアップが嫌いだからではなく、この広大な荷台に積むものが思いつかないからだ。

 大量の薪を積んで山小屋にいくわけではないし、イケアやコストコで大量の買い物をして、無造作に荷台に載せて走る感覚もない。

 アメリカ人にとってピックアップトラックは心のふるさとのようなもので、どんなにいいクルマを持っていても1台は置いておきたいものだろうが、当然日本人にその感覚はない。

 全長5335mm、全幅1855mmのこの巨大なクルマがセカンドカー、サードカーになるはずがないのだ。

 ハイラックスは馬革でできている革ジャンみたいなものだ。カッコイイけど着やすくはなく、日本人はそんな硬い革ジャンよりもフリースを好む。ハイラックスは街中や駐車場では苦労するだろうし、簡単に付き合えるクルマではなさそうだ。

 奥さんの許可を取るのはGT-R並みに大変だろう。

 いっぽうで、ハイラックスがいいのは古くならないことだ。ずっと乗っていても味わいがなくならない。10年乗ってもカッコイイし、20年ならさらにカッコイイ。そんなクルマはざらにはない。

 ハイラックスを見ていると、私の心は千々に乱れる。欲しい! 絶対に欲しい! 俺は残りの人生をピックアップのために生きる! 俺を「ピックアップ野郎」と呼んでくれ! と勢い込んで本当に買ったとしても、納車された瞬間に「しまった〜!」と後悔しそうな気がするのだ。「俺はこのクルマをどう使いこなすのか〜!」と。

 そもそも私はFJクルーザーを持っている。FJクルーザーとハイラックスがガレージに並んでいる家ってどうなのよ。確実に奥さんに殺されます。

「あんた、そんなクルマ買ったってサウナにいくくらいじゃない!」と罵詈雑言を浴びせかけられるのが目に見えているのだ。

 逆に言えば、ハイラックスを買って使いこなすことができる人はレベルが高いということだ。

 私は今回ハイラックスに試乗して、荷台にひとり用の小さなテントを張ってキャンプしながら日本一周するのも楽しいなと思ったが、それでは奥さんが置いてけぼりだ。

 そして、実際はサウナにいってコインパーキングに入れるのに四苦八苦するだけだろう。ハイラックスはとてもカッコよく、そして悩ましいクルマである。

■テリー伊藤 今回のつぶやき

 私は断言する! ハイラックスは「モテるクルマ」のナンバーワン!!

(写真、内容はすべてベストカー本誌掲載時のものです)

【画像ギャラリー】やっぱりゴツいクルマもカッコいいよね!!! トヨタ8代目ハイラックス試乗の様子をギャラリーでチェック!(7枚)画像ギャラリー

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