■世界に多大な影響を与えた新時代のライトウェイトスポーツ【ユーノスロードスター】
1960年代のヨーロッパで流行したライトウェイトスポーツ。その再来といえるのが、マツダの5チャンネル体制で新設された「ユーノス」からデビューしたユーノスロードスターだ。
北米でミアータとして先行販売され、約3カ月遅れで発売されたロードスターは、絶対的な速さよりもドライバーとクルマの一体感が感じられることを追求。これを「人馬一体」という合言葉に置き換え、開発が進められた。
基礎となったのはFRレイアウトで、これに軽量コンパクトなボディを組み合わせ、1.6Lの自然吸気エンジンをフロントミドに搭載。その結果、狙いどおりの軽快で素直なドライブフィールを実現し、たちまち多くのファンを虜にした。また、170万円〜というリーズナブルプライスも人気に拍車をかけたのである。
また、たびたび特別仕様車を投入し、1993年にはエンジンを1.8Lに変更。その後1998年1月まで販売されると、グローバルでの生産台数は42万台をオーバー。名実ともに大ヒットモデルとなったのだ。
そしてこのロードスターの登場により、各自動車メーカーがライトウェイトスポーツを開発・販売。世界のモータリゼーションにも大きな影響を与えた、革新的な1台となった。
■日本におけるステーションワゴン人気の立役者【レガシィ】
今でこそ国産車では少数派となったが、一時期はさまざまなモデルがリリースされていたステーションワゴン。セダンの走行性能や快適性を持ちながら、高い積載性を備えており、デイリーユースからレジャーまで幅広く使えることが大きな魅力だ、
そんなステーションワゴンを人気カテゴリーに押し上げたのがレガシィだ。もともとレオーネの後継としてデビューした同車は、スバルが初めて世界をターゲットにしたモデル。基本的な性能や機能、本質などを国際的な水準まで高めつつ、スバル自慢の水平対向エンジンやAWDシステムを採用。すべてを一から設計したブランニューモデルだった。
セダンとツーリングワゴン(ステーションワゴン)を設定したが、なかでも人気を集めたのが、デビュー約半年後に登場したワゴンの「GT」グレードだ。
当初はセダンのみだったフラット4ターボを搭載し、自慢のAWDシステムをドッキング。これにより「ハイパワーAWDワゴン」というひとつのカタチを構築した。
そして、折りからのスキーブームなども手伝い、レジャー志向のユーザーから絶大な支持を獲得。このレガシィで作り上げたワゴンの新しいカタチは、現在のレヴォーグにも生かされている。
■ホンダの象徴的メカを初搭載したメモリアルカー【インテグラ】
名車というには少々語弊があるかもしれないが、今やホンダの象徴といえるVTECエンジンを初めて搭載したのは、シビックでもCR-Xでもなく、インテグラだった。
「クイント」、「クイント インテグラ」を経て、1989年4月に単独名で再出発したインテグラ。同じテンロククラスでもシビックよりスペシャルティ感が強く、独創的なマスクや3ドアクーペ&4ドアハードトップといったボディバリエーションを特徴とした。
しかし、それ以上に注目されたのが、世界初の可変バルブタイミング機構を採用したB16A型DOHCエンジン。「VTEC」と呼ばれるその機構は、1本のカムシャフトに異なる性格のカム山を設け、低回転と高回転でバルブの開きを切り替えることで実用性とハイパワーを両立。中低速を犠牲にすることなく、8000rpmまで一気に吹け上がるフィーリングに、多くの人が魅了されたのだ。
後にバリエーションを増やすとともにオートバイや船外機にも搭載され、今でも進化し続けるVTEC。その歴史のスタートがこの2代目インテグラだったのだ。
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