BYDドルフィンは安くて高性能!? bZ4Xは好印象も足りない部分って? 日中韓EVを直接比較

■大幅改良で生まれ変わったサムライEV!! トヨタ bZ4X

トヨタ初の量産EVとして2022年5月に登場し、リコールなどを経て2023年10月に大幅改良モデルを発売。スバルソルテラは兄弟車だが、細部は異なる
トヨタ初の量産EVとして2022年5月に登場し、リコールなどを経て2023年10月に大幅改良モデルを発売。スバルソルテラは兄弟車だが、細部は異なる

 試乗車は容量71.4kWhのリチウムイオン電池を搭載する「Z 4WD」。今回の3車のなかで最も電池容量が大きく、モーターは前後ともに109ps/17.2kgm(×2)で航続距離は540km。

 その分価格も高く、ドルフィン407万円、KONA489万5000円に対し、650万円となっている。なお、今回は唯一スタッドレスタイヤを装着しての試乗となった。

 利男氏のコメントは以下のとおり。

 「運転席がタイトでパーソナル感はありますね。メーターが遠いのは視線移動を少なくするためらしいですが、こんなに遠くにする必要はあるんでしょうか。

 アクセルを強く踏み込んだ時のトルク感は3車のなかで一番ですね。4WDですが、フロントからグッと引っ張られる感覚です。

 足はけっこう硬めです。ストロークが短めで引き締まった乗り味。上屋の重さを感じる場面もありますが、コーナリングは安定しています。スタッドレスタイヤだからかもしれませんが、締まった足のわりに乗り心地の硬さは感じません。

 価格が高いのだから当然かもしれませんが、3車のなかで一番高級感があります。静粛性が高いし、ステアフィールも自然でボディもしっかりしています。

 ただ、面白さはあまり感じられないですね。個人的には、もう少し足を動かしてあげたほうが乗り味に個性が出ると思います」

 EVは勝手が違うのか、いつも以上に冷静なコメントが続いた利男氏だった。

●鈴木利男の評価

 3車のなかで一番高級感のある走りで、静かでモーターも最もパワフルに感じられた。ストロークが短めのサスペンションは無駄な動きを抑えており、コーナリングの姿勢も良好。それでいて乗り心地の硬さも感じさせないし、ステアフィールも自然だった。

 ただフロアが高く、ドラポジが高く感じるほか、後席も足が持ち上がる姿勢となって快適性はイマイチ。また、個人的には、もっとよく動くサスペンションが好みだ。

【結果発表】「参りました」はなかったが1位はBYDドルフィンがゲット!

今回登場した3車の主要諸元
今回登場した3車の主要諸元

 「参りました」は相当参ってもらわないと認定できない。なのでハードルをかなり高くしていて、本企画では100点満点の採点で96点以上を「参りました」としている。で、今回のEVアジア選手権だが、最高採点でもBYDドルフィンの85点で、「参りました」からはかなり遠い結果となってしまった。

 まぁ、なんとなく予想はできていたことだが、残念は残念。しかし、そんななかでも新興勢力の中国車がトップになったのは予想外。デザインや装備は別として、純粋な走りの評価で1位なのだから価値がある。中国車、侮れない!

・1位:ドルフィン(85点)
・2位:bZ4X(80点)
・3位:KONA(75点)

【画像ギャラリー】3車の走りを全力チェック!! 日中韓三カ国の最新EV(33枚)画像ギャラリー

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