ハイエース ステップワゴン ジャスティ アコード……今や当たり前になったクルマ界の技術11個の「元祖」たち

■クラッチレスマニュアル

乾式クラッチ式電子制御ATとしては世界初の「NAVi5」を搭載した初代アスカ
乾式クラッチ式電子制御ATとしては世界初の「NAVi5」を搭載した初代アスカ

●元祖は?……マニュアルミッションではあるが、クラッチペダルを装着しない半自動変速のオートクラッチは、1964年にスバル360が搭載するなど歴史は古い。ただしDレンジによる完全な自動変速モードはなかった。

 トルクコンバーターやCVTを使わず、マニュアルミッションをベースにしながら、完全なATとして機能するのはいすゞの「NAVi5」が世界で最初だ。1984年にアスカに搭載された。

 電子制御ながら、初期の技術とあって加速感がギクシャクする面はあったが、30年も前の話。相当に先進的な機能だった。

●現在の流行りっぷり……この後、ナビ5は前輪駆動になった2代目ジェミニ、商用車にも採用されたが、乗用車の分野では廃れた。そして今ではVWのDSGなど、海外メーカーに先を越されている。日本車では一部のスポーツモデルが採用するのみで、さみしい状況だ。

乾式クラッチ式電子制御ATとしては世界初の「NAVi5」を搭載した初代アスカ
乾式クラッチ式電子制御ATとしては世界初の「NAVi5」を搭載した初代アスカ

■背の高い軽自動車

レジャーユースに強い初代ミニカトッポ。今見ても斬新なスタイルだ
レジャーユースに強い初代ミニカトッポ。今見ても斬新なスタイルだ

●元祖は?……一般には1993年登場の初代ワゴンRのイメージが強いが、背の高い軽自動車の真の先駆けは1990年に登場したミニカトッポ。全高が1700mmを超えるボディは「トールボーイスタイル」として注目され、売れゆきも好調だった。

●現在の流行りっぷり……初代ワゴンR登場後、1995年にムーヴ、1997年にライフと全高が1600mmを超えるモデルが続々と登場し、今では軽自動車の売れ筋となっているのはご存じのとおり。

 さて、草分けのトッポだが1998年に一新されて2003年に生産を終了。が、市場の要望が強かったため2008年に同じ金型を使ったボディで復活した。ユニークな外観が魅力とされるが、機能的には「背の高いボディと低い着座位置」が特徴。全高が1600mmを超える軽自動車では、唯一小柄なドライバーでもペダルに足が届きやすいのだ。

■スポーツ車にブレンボ

1992年2月のマイチェンの際に設定された「Vスペック」。ブレンボブレーキ採用のほか、ホイールも標準の16インチから17インチに上げられた
1992年2月のマイチェンの際に設定された「Vスペック」。ブレンボブレーキ採用のほか、ホイールも標準の16インチから17インチに上げられた

●元祖は?……ショックアブソーバーのビルシュタインなどと並んで、ブレーキの名ブランドとされるブレンボ。日本車では、1992年登場のR32型スカイラインGT-R Vスペックから採用が開始された。当時、国産車メーカーが海外の部品メーカーと協力してブレーキを開発することなどなかっただけに、インパクトは大きかった。

●現在の流行りっぷり……今でもGT-Rのブレーキはブレンボ製。このほか国産車ではランサーエボリューションX、インプレッサWRX STI。輸入車も含めれば、実に多くの車種に採用されている。高熱によって制動力が低下するフェード現象が発生しにくく、制動力も安定して高いことから、ボディの重い高性能なスポーツモデルに用いられることが多い。

■軽自動車の64ps規制

罪作りな速さだったスズキ 2代目アルトワークス
罪作りな速さだったスズキ 2代目アルトワークス

●元祖は?……今度はちょっとうれしくない、現在まで続くトレンドの話。軽自動車は排気量の不足を補うため、大半の車種がターボ仕様を用意するが、その最高出力はみな64psで統一。なぜか。

 きっかけになったのは、1987年にスズキの2代目アルトに設定されたワークスだ。軽自動車では最初のツインカムターボ搭載車で、総排気量が550ccの時代だったが、最高出力は64psに達した。型式指定は得たものの、「これ以上の高出力化は危険」と運輸省(現在の国土交通省)が難色を示し、自主規制となってしまった。

●現在の流行りっぷり……困ったことに現在までトレンドと化しているが、もはや形骸化した制度だ。時代は変わり、今は最高出力よりも燃費が重視される。馬力競争に走る心配はなく、自主規制をやめれば、660ccターボを小型車に積むという道も開けるのに……。

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