粉っぽい空気に要注意!! クルマの健康寿命を縮める[粉]の正体と対処法

■鉄粉はどの季節でもボディに付着するやっかいな存在

粉っぽい空気に要注意!! クルマに大ケガさせる「粉」の正体と対処法
鉄粉除去剤を使用するとボディを擦らずに済む。「こんなに鉄粉がついていたのか!?」と驚くほど鉄粉が溶け出してくる。鉄粉は花粉や黄砂よりも目立たないため、付着に気づきにくいので要注意だ

■なぜクルマのボディに鉄粉がつくのか?

「ボディがところどころザラザラしている」「小さな黒や茶色の点々がある」という人は、おそらく鉄粉がついているはず。この鉄粉、ほとんどのクルマに付着しているが、ユーザーは鉄粉の付着に気づいていない場合が多い……。

 空気中には前出の花粉や黄砂以外にクルマに悪さをする鉄粉などの粒子も舞っており、クルマを走行させると空気中の鉄粉が塗装面に突き刺さる。

 鉄粉は、ブレーキ制動時に発生するブレーキダストに含まれていて、交通量の多い場所では空気中に多く舞っている。また、鉄道や工場のある場所の近くでも同様。このような場所では、クルマを停めておくだけでもボディに鉄粉がつくほどだ。

■ボディの鉄粉を放置すると塗装面を傷め、サビの原因に

 ザラザラしたボディにより、洗車時の水切れが悪くなる。鉄粉の付着がひどい場合は、拭き取り用ウェスの滑りも悪くなるほど。

 さらに、汚れが鉄粉に引っかかって落ちにくくなり、塗装面を劣化させるようになる。そして鉄粉の酸化が進んでいくとサビが発生。ボディ内部へ進行するとボディの中にも広がっていくので実はかなりやっかいな存在。

■鉄粉は通常の洗車では落ちない!

 塗装面に刺さっている鉄粉は通常の洗車では落ちにくく、むりやりスポンジや濡れタオルなどで擦り落とそうとするとボディのキズが増えてしまう。よって、専用の鉄粉除去用の粘土、除去剤をクロスにコーティングしたクロスタイプ、そしてスプレー式の鉄粉除去剤などを使って落とすことになる。

 粘土で鉄粉を除去する場合は水をボディに流しながら滑らせるように使うなど、慎重に行う必要があるが、固着した鉄粉も落としやすい利点がある。

 除去剤でコーティングしたクロスは掻き落とす力が強いので強く擦らないようにする必要があるが、洗って何度も使えることが利点。こちらも水を流しながら使うもの。

 スプレー式は吹き付けて一定時間おいた後に水で流す必要があるが、鉄粉を擦らないので鉄粉除去時のボディへのキズつきを防いでくれるのが利点。

 ただし、一度では落ちにくいため、何度かスプレー→一定時間放置→水で流す……という作業を繰り返す必要がある。

 いずれにせよ、鉄粉除去は「キズをさらに広げるリスク」もあるため、除去剤の使用方法をよく読んで慎重に作業したい。不安であればプロに依頼し、その作業後にボディコーティングを施工してもらうのもありだろう。

■凍結防止剤・融雪剤は鉄粉のダメージを拡大させる!

 冬季に積雪地帯走行後のクルマを見ると、白っぽい粉のような汚れがボディ下部に広がっているのを見かける。これは道路に撒かれた凍結防止剤や融雪剤が飛び散ったもの。

 凍結防止剤や融雪剤には塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化ナトリウムなどが使われ、道路上に凍結防止剤を散布すると雪の表面の水に溶け込むことで路面の凍結温度が下がる。凍結温度が下がることで「路面が凍りにくくなる」というわけだ。

 凍結防止剤は路面が凍結するのを防ぐために積雪前に撒かれ、融雪剤は積雪後に雪を溶かすために撒かれる。

 この凍結防止剤や融雪剤がクルマに付着した状態で放置しておくと水シミになりやすく、特に濃色車では非常に目立つようになる。また、これらは塩化物のため、鉄粉と反応するとサビの進行を一気に促進させる。

 よって、特に寒い時期に積雪地帯によく行く人は、凍結防止剤や融雪剤の付着を見逃さないように。

 今回はクルマにとって害のある粉について書いた。どの粉も「クルマにつかないようにする」のはほぼ無理なので、愛車はマメに洗車してあげてください。

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