英国オープン、パッカード、ブルドッグ…… クルマ界の巨匠が残した金言は月日が経っても色褪せない【復刻・徳大寺有恒「俺と疾れ!!」】

■「ブルドッグ」が欲しい

(ホンダのシティターボIIブルドッグを中古で手に入れたい!どう思いますか? という読者へ)

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 “ブルドッグ”はスタイルが魅力的ですね。シルエットフォーミュラを連想させるそのスタイルは見て楽しむのにいいクルマです。

 古い私の記憶では、けっこう大食いだったと思います。110馬力と小さなボディには充分すぎるほどパワフルで加速感は強烈で文句なしですから、運転が楽しいクルマでした。

 コンディションさえ文句なければ私もいいと思います。とにかく現代のクルマにはない粗削りの魅力がありますね。

 ホンダのホンダらしさを感じさせてくれるクルマでしょう。あとは、メインテナンスがしっかりされているクルマかどうかがポイントですね。

■パッカードに驚愕した

パッカードトゥエルブ(ルーズベルト大統領専用車)…第2次世界大戦前の一時期大統領公用車の栄誉を得た。V型12気筒はエンツォ・フェラーリに感銘を与え、フェラーリが12気筒を開発する決断をさせたといわれている
パッカードトゥエルブ(ルーズベルト大統領専用車)…第2次世界大戦前の一時期大統領公用車の栄誉を得た。V型12気筒はエンツォ・フェラーリに感銘を与え、フェラーリが12気筒を開発する決断をさせたといわれている

(トヨタ博物館に行った読者から、ルーズベルト大統領専用車 パッカードトゥエルヴ(当時のアメリカの最高級車)に目を見張りました、という話を受けて)

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 パッカード……伝説のクルマですね。

 パッカードのキャッチフレーズは『パッカードのよさは持ち主に聞け』というものでした。それほど自信があったのです。トゥエルヴではありませんが、スーパー8は日本にもあり、パッカードのあの特徴的なラジエターグリルが思い出されます。直列8気筒エンジンというのもすごかったですね。私の子どもの頃、水戸の茨城県庁には何台かあって、黒塗りのクルマが走っていましたよ。

 私が実際に見たところでは、パッカードはボディの実際の作り込みがすごいと思いました。結局馬車で全米1位のスチュードベーカーと合併してスチュードベーカー=パッカードになり、スチュードベーカーのボディに豪華に仕立てただけのクルマになってしまいます。

 本来フォーマルなパッカードにスポーティなスチュードベーカーのデザインは似合わなかったと思います。

 戦後のクルマはぬめぬめしたモノが多くあまり好きではありませんが、最後のクリッパーはちといいかなと思いますがね。

■ブリティッシュオープン

 (読者からRV8を今手に入れるリスクやメンテナンスの苦労についてのアドバイス請われて)

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 RV8はローバーのV8ユニットを搭載するクルマです。確かにブリティッシュオープンはいいですが、それならMGBやトライアンフ・スピットファイアなどにすべきでしょう。

 イギリスのこの時代のクルマは自分で探してくるということをやれる方がいいと思います。

 もしそうなら、MGのモノコックボディをお薦めします。実は私もMGBをいつも探しています。RV8もいいのですが、4発のほうが経済的でもあります。

 MGBGTはそのスタイルがすばらしく、私のお気に入りです。私のお薦めはRV8ではなくこちらです。

1962年に誕生したトライアンフ スピットファイア。写真は1.2Lから1.3Lへと排気量をアップしたMKIII。最終型は1.5Lとなり、最高速度161km/h、0~100km/h加速は12.0秒と俊足だった。1980年に生産終了
1962年に誕生したトライアンフ スピットファイア。写真は1.2Lから1.3Lへと排気量をアップしたMKIII。最終型は1.5Lとなり、最高速度161km/h、0~100km/h加速は12.0秒と俊足だった。1980年に生産終了

■保険も税金も高すぎる

(自賠責保険が4月から13.5%もあがるという話題から、「税金や諸費用の軽減をしないことには、この先保有台数はどんどん減っていき、自動車産業の未来も明るくないのではないでしょうか?」と問われて)

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 自動車関係の「税」は地方自治体にとって大切なものです。自動車取得税は地方税だし、自動車重量税も半分が地方に譲与されますから。大きいのです。しかし、100万円のクルマに30万円は高過ぎですね。

 これではクルマの所有を諦めるというのも仕方ありません。クルマが減れば、税収は減ってしまいますから、そのあたりを役人がどう考えているのか、聞きたいところです。

 だんだん自動車はぜいたくなものとなりつつあります。そのいっぽうで必需品であることも否めません。環境問題も含まれるので、未来を見越した政治的な決断がほしいところですね。

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