1970年に登場した初代トヨタ セリカ。もしかしたら読者のみなさんの中には生まれていなかった人もいるかもしれない。今回試乗をしていただいた土屋圭市氏はまだ免許も持っていない中学生だ。懐かしの名車を存分に堪能する!!
※本稿は2024年4月のものです
文:ベストカー編集部/写真:奥隅圭之
初出:『ベストカー』2024年5月26日号
■キャブ車ならではの音と乗り味にニンマリ
1980年代~1990年代のセリカの系譜に試乗した勢いで、さらにセリカの先祖を辿りたくなった土屋圭市氏とともに、初代セリカを求めて滋賀県草津市を目指した。
セリカの誕生は今を遡ること54年、1970年12月のことだった。
この時点ではノッチバッククーペのみで、今回取材した、リアウィンドウがハッチゲートとなって開閉するリフトバック(LB)と呼ばれるタイプが追加されたのは1973年4月のことだった。
当初クーペには搭載されていなかった直4、2LDOHCの18R G型エンジンを搭載するセリカLB2000GTがひと際目立つ存在だったのだ。
「いい音するねぇ~! ソレックスの吸気音がそそる!」
エンジンをかけて土屋さんが懐かしそうな顔をした。
「今のクルマと違ってキャブレターだから、気温や湿度によって微妙にエンジンのレスポンスに変化が出るんだよね。このクルマはちょうど今日のコンディションにピッタリなんだろうね。アクセル操作にビンビンレスポンスするよ」と調子のよさを実感。
「でもさ、1970年代のクルマって、まっすぐ走らなかった。直進していてもステアリングを小刻みに右へ左へと修正が必要。このセリカに限った話ではなくどのクルマでもそうだった。久しぶりにこの感覚を思い出したよ」と土屋さん。
今回試乗したセリカLBはレストア時に195/50R15サイズのタイヤを履いてオーバーフェンダーを装着。車高調サスを組んだりしてオリジナルではないが、当時の雰囲気をいい感じで今に伝える仕様だ。
「シートはノーマルだよね。ステアリングはナルディのウッドに交換しているけど、雰囲気はいい。それにしてもシフトレバーが遠い。左手をスッと伸ばした位置にレバーがなくて探しちゃったよ。かなり前のほうにあるね。こんなだったかな?
シフトフィール自体はしっかりしていてヤレた感じはまったくない。ブレーキもしっかりと利くし、50年前のクルマに普通に乗って楽しめるというのは凄いことだよ」。
●トヨタ セリカ リフトバック2000GT
・型式:RA25型
・初度登録年月:1975(昭和50)年8月
・当時の新車価格:112万円(1973年)
・全長:4215mm
・全幅:1620mm(現車は1660mm)
・全高:1280mm(現車は1230mm)
・ホイールベース:2425mm
・車両重量:1080kg
・前軸重量:630kg
・後軸重量:450kg
・エンジン:直列4気筒DOHC
・エンジン型式:18R-G
・総排気量:1968cc
・最高出力:145ps/6400rpm ※
・最大トルク:18.0kgm/5200rpm ※
・トランスミッション:5MT
・Fサスペンション:ストラット
・Rサスペンション:4リンク式
・タイヤサイズ:185/70R13(現車は195/50R15)
※印はグロス値
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