■ロータリーエンジン搭載の名車(迷車?)たち
■コスモスポーツ
記念すべきマツダ製ロータリーエンジン搭載車第1号がコスモスポーツだ。
登場は1967年で、排気量は491cc×2。なお、ロータリーエンジンの場合、ひとつのローターあたりの燃焼室容積にローター数をかけたものが排気量として表わされる。
最高出力は110psと、当時の基準で考えれば十分にパワフルなものであり、ローラインのスポーツカーボディも同車の魅力を引き上げていた。
■RX-7
ロータリー人気を不動のものにしたのがRX-7シリーズだ。それまでのサバンナRX-3の後継モデルとして、1978年に初代サバンナRX-7が発売された。
開閉式リトラクタブルヘッドライトの採用など、RX-3とは大きくスタイルを変えてデビューした初代RX-7は「プアマンズポルシェ」などと揶揄されることもあったが人気は高く、それは1985年登場の2代目で決定的となる。
型式名から「FC型」とも呼ばれる2代目RX-7では、高出力のターボチャージドモデルもラインナップされ、軽量&コンパクトなロータリーエンジンの持ち味を生かしたハンドリング特性も高い評価を得た。
RX-7シリーズ最後の3代目FD3S型は1991年に登場。
2代目まではポルシェの影響も感じられたスタイルは洗練され、このFD型RX-7ではオリジナリティを強調。流麗なフォルムは現在でも高い人気を誇っている。
3代目RX-7は2003年まで生産されるロングセラーになったものの、ロータリーエンジンの難点だった燃費の悪さなどが時代の要請に合わなくなり、4代目を残すことなく歴史を終えている。
■ユーノスコスモ
マツダが販売ブランドを細かく分ける5チャンネル戦略をとっていた1990年にユーノスブランドから登場したのがユーノス コスモ。
往年の名車、コスモスポーツにちなんだ名称を持つこのユーノスコスモは、市販車では世界初の3ローター型ロータリーエンジン搭載モデルを用意し、バブル景気時代を象徴するパワフルかつ華やかなクルマだった。
だが、そのパワーと引き換えに燃費性能が悪く、市街地走行では2km/Lがせいぜいという“大飯食らい”ぶりでも話題になった。
残念ながら商業的な成功は得られずに1996年に製造販売が終了している。
今でも「ユーノスコスモ=高燃費」のくくりで語られることの多いクルマであり、あまり名誉ではない内容で歴史に名を残している。
■ロータリーエンジンが復活した理由
主に燃費面での不利さから市販車での採用がなくなったロータリーエンジンだが、ここにきて発電用とはいえ復活できた理由はどこにあるのか?
ロータリーエンジンは軽量かつコンパクトであり、さらに振動も少ないことから、燃費効率の良い回転数で定常運転できるのであれば、そのメリットはデメリットを上回る。
こうした特性は、電動モーターで走るEVのレンジエクステンダー(航続距離延長用システム)には最適といえる。
そう、これがEVの発電用としてロータリーエンジンが復活した理由だ。
MX-30 eSCYACTIV R-EVは、外部電源からバッテリーを充電するプラグインハイブリッド方式を採用しているが、車載したレンジエクステンダーによって充電を行うことで航続距離を延ばせる。
そして効率のいい回転数でロータリーエンジンを回すため、ガソリン消費量も抑えることができる。
もともと静粛性に優れたロータリーエンジンはEVとの相性も抜群であり、MX-30 eSKYACTIV R-EVを皮切りに、ほかのEVへの発電用ロータリーエンジン搭載も予想される。
加えてロータリーエンジンはガソリン以外の燃料にも対応しやすいことから、水素やバイオフューエルを使っての発電など、可能性の広がりも期待できる。
今だに根強いロータリーエンジン愛好者にとって発電用エンジンのみでのロータリー復活は不満かもしれないが、まずは復活したこと自体を素直に歓迎したい。
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