酷暑のなか、ふとメーター内の外気温計の表示を見ると、その日の最高気温は35度なのに、40度、42度とか表示されていることがありませんか? こんなに気温が高いワケがないと疑問に感じることもあるでしょう。
そこで、そもそもクルマに付いている外気温計はどこについているのでしょうか? どれくらい誤差があるのでしょうか?
またメーカーによって取り付け場所が違うのでしょうか? そんなクルマの外気温計の謎についてモータージャーナリストの岩尾信哉さんが解説します。
文/岩尾信哉
写真/ベストカー編集部 ベストカーWEB編集部
外気温センサーの取り付け位置はフロントバンパー開口部の裏側が定位置
まずは、外気温を測る外気温センサーがどこに装着されているのかを確認してみよう。対象モデルとしてとり上げたのは、販売上位に位置するモデルたち。トヨタや日産、軽自動車を含めたホンダ、スズキ、ダイハツの売れ筋車種について、外気温センサーの取り付け位置について各メーカーに問い合わせてみた。
まずはトヨタだが、売れ筋のプリウス、アクア、シエンタについて回答が得られた。
フロントグリルの外周部の向かって右下橋、ラジエター下端の高さに地面から約30cmの高さに装着されていることになる。
プリウスとアクアがほぼ同じ配置となるのは、エンジンルーム周りの部品の共通化がからむ話だろう。
シエンタでもフロントグリルの向かって右側下部に設置されている。トヨタ車の場合は、セダン、ハイブリッド、SUVなどでも車種ごとの取り付け位置に大きな違いはなく、基本的にフロントグリル周りの内側、ラジエターとの間に取り付けられているようだ。
日産でも同様に乗用車のノート、セレナ、軽自動車のデイズも共通して、フロントバンパー開口部裏にあるとのこと。
「エンジンルームに近い場所なので、エンジンからの熱の影響を受けそうですが、走行中など充分に外気がセンサー周辺に当たるように設置して、外気温度をセンシングします。アイドリング中に熱などにより数値を大きく変動させないように制御しています」との説明を受けた。
このように外気温センサーの取り付け位置に関しては、ホンダのフリードや軽自動車のN-BOXについてはフロントバンパー付近とされ、スズキのワゴンRではフロントバンパー裏側とラジエターとの間、助手席寄りの位置に装着。
ダイハツのタント、ムーヴもフロントバンパー/グリル裏に装着され「覗き込めば確認できる位置にある」とのことと、ほぼ日本車については共通といえる。
では、輸入車ではどうか? フォルクスワーゲンでは外気温センサーを車体のどこに取り付けているか訊ねると、「基本的に全車、フロントバンパーの裏側部分に外気温センサーを装着している」と同様の回答だった。
ちなみに、冬場の低温時の機能についても訊いてみた。不思議だが、個人的にVWの各車で厳冬の季節にVWの路面の凍結注意の警告表示(音)に接する機会が多いという実感があったからだ。
回答としては、「冬季に限らず、外気温が下がって4度になった時点で警告音を発し、アラート表示(車種によって異なる)するなど、路面凍結等の危険性をドライバーに伝える」とのことだった。
ちなみに、警報音は外気温度が下がる場合に発せられ、たとえば0度から温度が上昇し、4度になった場合には作動しないとされている。
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