ノアとセレナどっちがお買い得? どっちがいいクルマ??

燃費を求めるならノアハイブリッド一択、ただ電動フィーリングが好ましいのはセレナ

 パワートレインは、セレナは、2.0L直4ガソリンエンジン(最高出力110kW、最大トルク200Nm)と、1.4L直列3気筒ガソリンエンジン発電のe-POWER(最高出力120kW/最大トルク315Nm)の2種類。燃費はガソリンが13.4km/L、e-POWERが20.6km/Lだ。一方のノアも、2.0L直4ガソリンエンジン(最高出力125kW、最大トルク202Nm)と、1.8Lガソリン+THS IIハイブリッド(72+70(モーター分)kW、142+185(モーター分)Nm)の2種類。WLTCモード燃費は、ガソリンが15.1km/L、ハイブリッドが23.4km/Lだ。

 燃費に関しては、ガソリン車の比較だと、交通環境や運転方法で逆転も大いにありうるほど、わずかな差だが、ハイブリッドの比較では、ノアの圧勝。やはりトヨタのハイブリッドは他社よりも一枚も二枚も上手。燃費を重視する人はノアが答えとなるだろう。

 ただし、ドライブフィーリングの面では、新型セレナe-POWERのほうが走行フィーリングは好ましい。高速走行中は、絶えずエンジンが発電を続けるが、そのエンジン音はかなり抑えられていて快適だ。ノアハイブリッドは、モーター走行をするタイミングもあるのだが、加速したときには「ガーガー」というエンジンがうなる、ややチープな音が聞こえてくることがあり、電動走行時の静けさとのギャップが悪影響している。走りの質感を求めるのであれば、セレナe-POWERのほうが適しているだろう。

よりお得なのは…「ノア」のほうか!??

 このように、どちらも優れるクルマであるだけに、どちらがお買い得かを考えるのは非常に難しいところ。ただ、お得感を求める、という視点でみれば、必要なオプションだけを選ぶことができ、さらには燃費もいいノアのほうが優れているかもしれない。

 ノアの現行モデルが登場したのは、2022年1月、セレナの現行モデルが登場したのは、同じく2022年の11月、どちらもデビュー直後はコロナ禍の影響で生産調整が行われ、販売面での本領発揮が難しかった。2024年に入り、ようやく落ち着いてきたことから、どちらがよりユーザーに選ばれるミドルクラスミニバンに仕上がっているのかは、今年2024年の結果でみえてくることだろう。はたして、ユーザーに選ばれるのは、よりお得なノアなのか、それとも先進性が光るセレナなのか!?? 今後の動向が非常に楽しみだ。

過去10年の国産ミドルクラスミニバン販売台数。ステップワゴンが一歩後退し、主にヴォクシーとノア、セレナの3台がしのぎを削っている。ノアは新型モデルとなって以降、ヴォクシーと人気が逆転している
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